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右足のスーパーゴールで2か月の沈黙を破った佐藤寿人「残り2試合、仕事したい」

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[12.22 天皇杯準々決勝 広島1-1(PK3-2)甲府 Eスタ]

 圧巻の一撃だった。サンフレッチェ広島ヴァンフォーレ甲府を相手に、ボールを一方的に保持しながらも、守備を固める甲府の前にシュートを打てない時間が続いた。そんな均衡を打ち破ったのは、やはりエースだった。前半23分、左サイドのDF水本裕貴から斜めに入ったパスを受けたFW佐藤寿人は、左足のかかとでボールを浮かせ、ゴールに向かう。これでマークに付いていたDF崔誠根を置き去りにすると、ボールの落ち際を右足で捉えてゴールネットに突き刺した。

 佐藤のスーパーゴールで先制した広島だったが、前半終了間際にオウンゴールから同点に追い付かれてしまう。その後もボール保持率では甲府を大きく上回ったが、2点目を挙げられずに試合はPK戦へ。PK戦を3-2で制した広島が、準決勝進出を決めた。

 試合後、天皇杯無失点だった甲府の堅守を破った佐藤は「ミズ(水本)から良い縦パスが入ってきたので、ファーストタッチでシュートに打てるところに持って行こうと思っていました」と、トラップが狙い通りだったことを明かし、「利き足ではない右足で、難しかったですけど、イメージ通りに打てて良かったと思います」と笑顔をこぼした。

 佐藤は仙台に在籍していた2004年から、毎年リーグ戦で2桁ゴールを挙げている。今シーズンもリーグ戦で17ゴールを挙げていたが、9月28日の第27節・鳥栖戦(2-0)を最後に、得点を挙げることができていなかった。約2か月ぶりとなるゴールを挙げた佐藤は「リーグ戦、終盤は点が取れなかったので。残り天皇杯マックスで2試合、しっかり仕事をしたいと思います」と、シーズン最後のゴールラッシュを宣言した。

 前身のマツダ時代に3度天皇杯を制している広島だが、サンフレッチェ広島となってからは、準優勝4回と、あと一歩天皇杯のタイトルに届いていない。リーグ戦で2連覇という偉業を成し遂げた今季、「とにかくもう一つタイトル獲りたい」と、佐藤は語気を強める。

「とにかくもう一つタイトル獲りたいですし、引退するナカジ(中島浩司)さんと一緒にカップを掲げたい。そういう想いを胸に、このメンバーでやれる最後の2試合になるので、決勝に行くだけじゃなくて、決勝で勝つつもりで残り2試合やりたい」

 タイトルへの強い想いを滲ませた佐藤は、29日の準決勝・F東京戦でも、ゴールを目指す。

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