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[総体]尚志との東北勢対決制した羽黒が山形県勢23年ぶり8強進出!

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[7.31 全国高校総体3回戦 羽黒1-1(PK5-4)尚志 松本市サッカー場]

 31日、平成24年度全国高校総合体育大会「2012北信越かがやき総体」サッカー競技(長野)3回戦が行われ、羽黒(山形)と尚志(福島)との東北勢対決は1-1からのPK戦の末、5-4で羽黒が勝利。山形県勢23年ぶりの8強入りを決めた羽黒は2日の準々決勝で立正大淞南(島根)と対戦する。

 羽黒GK渡部悠己(2年)、尚志GK秋山慧介(3年)の両GKがともにPK2本を止めて迎えた7人目。羽黒のMF池田大郎(2年)がゴール左隅へ決めたのに対し、尚志の7人目・堀江一博(2年)のシュートを左へ跳んだ羽黒・渡部がキャッチする。「頭の中が真っ白になった」という渡部はボールを持ったままハーフウェーラインまで激走。殊勲の2年生GKに追いついた羽黒イレブンは人差し指を長野の空に突き上げ、山形の歴史を塗り替える勝利の余韻に浸っていた。
 
 この日が44歳の誕生日だった本街直樹監督へ、羽黒イレブンが贈った最高のバースデープレゼントだった。「3連戦で身体がきつかったけれど、気持ちで負けちゃいけない。自分が見せようと思った」というFW孫成周(3年)を先頭に相手に尚志へ強烈なプレッシャーをかけた羽黒は、前半12分にリードを奪う。MF本間礼皇(2年)の右CKからマークを外したFW木村比呂が右足ボレーで先制点を叩き込む。

 その後もMF堀江京介(3年)のドリブル突破やMF生田郁弥(3年)の飛び出しなどからチャンスをつくる羽黒は、守備面でも鋭い出足で相手の攻撃の芽を摘むCB大須賀龍人(3年)中心に尚志の攻撃を跳ね返していく。尚志はエースFW皿良優介(3年)が左サイドから仕掛けてシュートまで持ち込んでいたが、0-1で前半を折り返してしまう。

 後半もにも5分に堀江の中央突破から生田が決定的なシュートを放ち、17分に生田の折り返しから池田が決定的なシュートを放つなど羽黒ペース。だが尚志は22分、圧倒的な高さを見せていたCB金子涼吾(3年)の右ロングスローが流れたところを皿良が右足ボレーで叩いて同点に追いつく。だが、後半35分にSB長崎俊(2年)とMF蜂屋雄介のコンビで右サイドを打開してFW蔵五雄介が放ったヘディングシュートなど尚志はチャンスをつくりながら勝ち越すことができない。

 迎えたPK戦では尚志がリードを得るが、決めれば勝利の決まる金子のシュートを羽黒の渡部がストップ。4人目から7人目まで全てが成功した羽黒は相手の7人目を渡部が好セーブをして止め、勝利をつかんだ。

「今年の子たちは県リーグでも勝っていない。そのチームが勝つとは」と本街直樹監督も驚いていたが、山形県リーグでも苦戦を強いられるようなチームが、全国の厳しい戦いの中で成長を遂げて逞しいチームとなっている。主将の大須賀は「きょうは監督の誕生日でもあるので絶対に勝とうと言っていた。ベスト8は嬉しいです」と語り、「自分達は出場チームで一番弱い。挑戦者として一戦一戦を戦う」と力を込めた。2日の準々決勝では立正大淞南と対戦。再び全員で勝利を収めて更なる歴史を塗り替える。

(取材・文 吉田太郎)

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(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)

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