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[MOM688]常葉学園橘GK北郷健太郎(3年)_167cm守護神が静岡MVP獲得!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.25 全国高校選手権静岡県大会決勝 藤枝明誠0-0(PK3-4)常葉学園橘 エコパ]

 静岡MVPを獲得したのは167cmの小さな守護神だった。常葉学園橘GK北郷健太郎(3年)は0-0で突入したPK戦で相手の2人目のキックを左へ跳んでストップ。浜松開誠館との準決勝に続くPKストップでチームを全国へと導いたGKは「びっくりしています。自分はちょっとしかチームに貢献していないですし、(MVPにふさわしい選手が)他にももっといい選手がいるはずなのにありがたいことです。本当にみんなに感謝しています」とチームメートに感謝した。

 ただ、準々決勝で静岡学園の強力攻撃陣を無得点に封じ、準決勝、決勝でもゴールを守りぬいた守護神の奮闘を誰もが認めている。新井裕二監督は「本来ならば日の目を見ないポジションながらあれだけ出てくるということは、そんだけ活躍した証拠だと思うのでMVPですね」。閉会式で最優秀選手として北郷の名が呼ばれると、チームメートたちも小さな守護神を笑顔で祝福していた。

 歓喜の無失点V。ただこれは北郷だけでなく、チームメート全員で勝ち取ったものだ。「みんなで守ってみんなで取った無失点優勝。GK陣は予選(2次)リーグから合わせて3人全員で出て、最後に立てたのがボクだっただけ」。北郷は決勝トーナメント1回戦の飛龍戦前日に左膝を負傷し、この試合を欠場。その危機で「ボクより上だと思っている。託していた」というGK成田敏彬(3年)が延長戦含めた100分間を完封した。つながれたタスキを成田が受験で欠場した準々決勝で、今度は北郷がつなぐ。ビッグセーブで静岡学園を完封してチームを救うと、準決勝でも100分間を守りぬいた。

 そして決勝でも藤枝明誠攻撃陣を100分間無失点に封じ、PK戦で歓喜をもたらした。「自分は仕事しただけですし、他のみんなが凄い耐えてくれて。その中でやっぱりミスは起きますし、それを自分がカバーできてよかったと思います。(優勝できた要因は)どうしても最後に結果残したい、特に後輩に何か残したいという気持ちが3年生には強かった。それがどこよりも上回ったと思います。(橘復活を)ちょっとでも印象付けられましたかね」と微笑んだ。

 憧れだった全国舞台まであと1か月強。小さな守護神は「(身長は高くないが)積極的に出ることで身長をカバーできると思う。あと1か月練習してもっとレベルアップできればいい。無失点なら負けない」。静岡MVPは全国でも無失点を続けて勝ち続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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