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[MOM687]横浜FMユースFW伊東海征(3年)_強い思いが生んだ決勝ゴール

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.25 Jユースカップ準々決勝 横浜FMユース 1-0 横浜FCユース 万博]

「前は皆が突破できるし、守備陣は身体を張ってくれるし、凄いバランスが取れている」。FW伊東海征自身がそう評したように、様々な個性が揃う今年の横浜FMユース。その中でも、彼のテクニカルなドリブルは一際目を惹く存在だ。

 日本クラブユース選手権(U-18)大会で得点ランキング2位となる6ゴールをあげたように得点能力も高い。チームを引っ張る存在であるはずなのだが、「ホントくだらないことで迷惑かけてしまった」ため、Jユースカップのグループリーグは全試合欠場。チームに貢献できず、悔しい思いをしてしまう。ただ、そのことが彼を突き動かす原動力になった。「迷惑かけてきたのに、帰ってきたら、皆が『お前が必要だから。いなくちゃダメだから』と言ってくれた。監督とも話をして、すごい自分のこと信頼してくれることを熱心に伝えて、大事にされていることが分かった」と振り返る。

「迷惑かけた分、自分が点で引っ張ってこうという思いが強かった」。そう心に決めたという復帰直後の1回戦、京都U-18戦ではさっそくハットトリックを達成。この日は前半こそ「自分自身も身体が重くて、特徴であるドリブルも全然出せなかったし、動き出しもいまいちうまく行かなくて、ゴールに絡めなかった」と反省したが、後半に入り、本領を発揮。「オマエの所に来るからと皆が声をかけてくれた。守備陣が耐えてくれていたので、自分が獲るしかないと思っていた」と気持ちで決勝点を叩き込んだ。貴重なゴールだったが、本人は「得点に関しても皆のおかげ。とにかく仲間に感謝しています」と至って謙虚に繰り返した。

 迷惑をかけたという思いがある分、今大会にかける意気込みは誰よりも強い。「リキさん(松橋監督)には恩返しというか、期待してくれている分、それ以上の結果を残さないといけないと常に思っています」と力強く誓う。「これで優勝したら、一番かっこいいですね。お詫びもまだまだ足りてないんで、リキさんを必ず、胴上げしたいです」。そうイタズラっぽく笑う姿は頼もしかった。

(取材・文 森田将義)
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