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[MOM736]東海大仰星FW田中翔(3年)_監督のゲキに奮起のバースデー弾

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 長崎総合科学大附0-1東海大仰星 駒沢]

 ヒーローインタビューを受けるお立ち台で、スタンドの応援団からはハッピーバースデーの歌で祝福された。この日が18歳の誕生日だった東海大仰星(大阪)のFW田中翔(3年)が値千金の決勝点。自らのバースデーゴールでチームを初の準々決勝に導いた。

 2回戦・聖光学院戦(1-0)は2トップの一角で先発した田中だが、この日はサイドハーフ。2回戦に先発したMF江郷下奨(1年)が体調不良で欠場したためで、急なポジション変更にも「予選でもやっていたので、違和感はなかった」と攻撃を牽引した。

 0-0で折り返したハーフタイムを終え、いざピッチに出ようとしたとき、中務雅之監督から「誕生日なのに、こんなもんなんか」とハッパをかけられたという田中。後半12分にFW日下部孝将(3年)のラストパスから見事に先制点を決め、指揮官のゲキに応えた。

「誕生日に試合をしたこともなかったので、当然、誕生日にゴールを決めたのも初めてです」。そうはにかんだ田中は1月3日という誕生日について「今までは悪いことのほうが多かった。いつもお年玉と一緒にされるので」と笑う。ゴールと勝利というダブルのバースデープレゼントを自らの手でつかむ最高の誕生日となった。

「膝を全部曲げると痛い」と左膝に故障を抱え、痛み止めを飲んでプレーしていることもあり、後半21分にベンチへ下がった田中。「仰星の歴史を塗り替えられてうれしい。でも、ここで終わったら意味がない。目標は国立でプレーすることだし、そこで優勝すること」。痛みも忘れ、中1日で迎える準々決勝へ視線を移した。

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2012
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