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[MOM928]那覇西MF新城太貴(3年)_アシストだけでなくゴールもできるトップ下

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 那覇西3-1遠野 フクアリ]

 初の選手権で2得点1アシストの大暴れをしたのが、那覇西のトップ下としてスタメン出場したMF新城太貴(3年)だ。

 まずはアシスト。固さの目立った前半、ボールのおさまりどころがなくロングボールを多用していた那覇西だったが、徐々に落ち着きを取り戻して本来の丁寧にパスをつなぐサッカーへとシフトしていく。そんな展開に追い風となったのが先制点。新城のスルーパスにMF仲田一世(3年)が反応し、飛び出してきたGKをあざ笑うかのようなループシュートでネットを揺らした。
 
 そして新城のゴールは、1-1に追いつかれた直後に生まれた。FW宮城良壽(3年)のパスをファーストタッチでわずかに浮かせて遠野DFを置き去りにするとGKと1対1に。あとはゴール右隅に流し込むだけだった。「ファーストタッチがうまくいってキレイに(DFの)裏に抜けてくれたので、後はゴールに流すだけでした」。殊勲の背番号「9」は選手権初ゴールを振り返った。

 選手権という大舞台でGKとの1対1を落ち着いて決められたのにはワケがあった。「県予選ではああいうチャンスを外してきたので。県予選終わってからしっかり練習してきたので、その成果だと思います」。シュートへの自信をつけたことでゴールへの意欲も高まったようだ。これまでは「アシストのほうが多い」という新城だが、試合後のミックスゾーンでは「シュートを打ちたかったし、ゴールを決めたかった」と明かした。

 実際、那覇西3点目のシーンにはその気持ちが表れている。FW國吉遼(2年)の浮き球で遠野DFラインの裏に抜け出ると、中にフリーの選手がいたにもかかわらず、パスではなく角度のないところからのシュートを選択している。「マイナスに(味方が)いたんですけど、自分で決めると思って打ちました」。シュートはGKに当たったが、那覇西のスコアボードには「3」が灯った。

 新人戦、総体予選、県1部リーグ、そして選手権予選と県内4冠を達成した2013年の那覇西。県内公式戦では39戦全勝という偉業まで成し遂げた。そして、全国の強豪とも顔を合わせていく中で、チームは「やれる」という手応えをつかんでいった。「細かい修正はありますけど、自分たちのサッカーが全国の強豪とも互角以上の戦いができると思います」。卒業後は九州産業大への進学が決まっているという新城は、2回戦以降への戦いにも自信をのぞかせた。沖縄県勢の最高成績であるベスト8超えへーー、その壁を超えたとき、それは国立のピッチに立つことを意味している。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)

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