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[選手権]前回得点王の京都橘FW小屋松はPK失敗に笑顔なし

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[1.2 全国高校選手権2回戦 藤枝東0-2京都橘 フクアリ]

 試合後、京都橘(京都)のU-18日本代表FW小屋松知哉主将(3年、名古屋グランパス)の表情に笑みはなかった。昨年度得点王の注目の初戦。1-0の後半27分には左サイドから絶妙な浮き球のラストパスをFW赤澤祥平(3年)へ通し、勝負の行方を大きく傾けるアシストをした。その他にも快足を活かしたスペースへの飛び出しや一瞬の切れ味でDFを振り切り、シュートを放つシーンもあった。自身のゴールよりもチームの勝利を優先する主将は、言葉通りにチームの勝利に貢献。ただ、後半7分にPKを失敗したこともあって「結果を出せなかったという部分と、チームのリズムが悪かった時に打開できなかった。相手を崩し切れなかったりとかいろいろな部分で個人的には納得のできない、悔しい試合になりました」と下を向いた。

 1点を追う藤枝東の背後を取って奪った2点目のアシストについて「ああいう形で点に絡めたのは、最低限良かったんですけど、情けないプレーが多かった。周りを使うときにワンテンポ遅かったり、個人的に何もできなかった。悔しいというか、情けなかった。チームが勝って良かったんですけど、悔しさを残した」。1年ぶりの全国大会初戦はチームメートに助けられたという印象しか残っていないようだ。

 ただし、米澤一成監督はその小屋松について「彼自身は点取りたいと思いますし、思うような活躍をしたいと思いますけれど、いろいろ見られている中ではよくやったんかなと思います」と大きな注目の中で勝利に貢献したことを認めていた。本人は連続得点王について「(取りたい気持ちは)少しはありますけど得点王にはこだわらずに、チームが勝つことを考えていきたい」ときっぱり。この日は悔しい結果だったが、勝利最優先という本人の意志はブレていない。連戦となる3回戦では自分のプレーでしっかりと勝利に貢献して、笑顔で試合を終える。

(取材・文 吉田太郎)
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