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F東京 DFチャン・ヒョンス「ベンチ入りが僕の誕生日プレゼント」

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[9.29 J1第27節 F東京2-1磐田 味スタ]

 FC東京のDFチャン・ヒョンスは、U-23韓国代表に選出されていたが、直前の練習試合で左ヒザを負傷し、ロンドン五輪に出場できなかった。悪夢の負傷から約2か月半が経ち、磐田戦の後半17分に途中出場したチャン・ヒョンスは、逆転勝利した復帰戦を終えて笑顔を見せた。

「忘れられない試合になりました。テレビで見ていた日本代表のFW(前田遼一)を防ぐことが出来ました。前日の練習ではSBでプレーしていたので、サイドで起用されるかなと思っていたのですが、本来のCBでした。でも、もともとやっていたポジションなので、違和感なくプレーできたと思います」

 周囲との連係が求められる最終ラインに、試合途中から入ることは難しい。だが、リーグ戦では5月の浦和戦(1-1)以来、同じピッチに立ったGK権田修一は、成長を感じたと語っている。「久しぶりの出場でも、あれくらいできる。信頼しているし、さすがだなと思いましたね。コミュニケーション能力も上がっていますね。リハビリ中に勉強したのか、日本に来て時間が経ったからなのかは分かりませんが、根が真面目だから覚えるのも早いし、問題はありません」。

 仮にチャン・ヒョンスが、銅メダルを獲得したロンドン五輪に参加していれば、兵役免除となっていた。失ったものは小さくないが、チャン・ヒョンスは未来だけを見据えている。

「ケガをしたことは残念ですが、今、大事なのはチームでの結果。チームでどれだけ結果を出すことができるかで、次の代表に選ばれるかどうかが決まってきます。だから、今はF東京のことだけを考えて、プレーしたいと思います」

 前日の28日は、彼の誕生日だった。「昨日、メンバー入りできたときに『これが自分にとっての誕生日プレゼントだな』と思いました」と語る21歳のチャン・ヒョンスは、大きなケガを経験し、また一つ強くなってピッチに戻って来た。

(取材・文 河合拓)

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