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川崎F新加入のFW大久保、シュート6本で無得点も「悔いはない」

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[3.3 J1第1節 柏3-1川崎F 柏]

 コンディションが良いことは、プレーからも明白だった。神戸から川崎フロンターレに加入したFW大久保嘉人は、試合後「負けはしましたが、自分としては楽しめました。ボールも取られていないし、楽しかったです」と、心境を語っている。

 MF中村憲剛が体調不良で欠場した中で、この試合で最多となる6本のシュートを放って、攻撃を引っ張った。前半31分にはキレのあるターンからDF増島竜也を抜き、前線にボールを運ぶ。その後も、後半ロスタイムまで柏ゴールを目指した。「こっちが主導権を握っていましたし、点を取られたのはつなごうとする意識の中で、ボールを取られてのカウンターだったので。それを失くすように意識して行けば問題ない。まだボールが一人に入ったときのサポートが遅いと感じるので、そういう部分を修正していけば、良いと思います」と、前を向いた。

 チームメイトも、この日の大久保を高く評価する。MF稲本潤一が「経験のある選手だし、1点取れればどんどんゴールも取れると思う。気持ち良く取れるために、後ろでしっかりDFしたい」と言えば、DF中澤聡太も「体がキレていたし、もっと前でやられていたら相手もイヤだと思うので、工夫したい」と、長所を出せるように協力することを約束した。

 大久保自身、得点を挙げるためには、ゴール前で冷静になることが大事だと自身のプレーを引き合いに強調した。後半のロスタイム、ロングボールをPA内で受けた大久保、ヘッドでフリーのFW矢島卓郎にパスを出している。この場面、自分でもシュートに行けたが、あえてパスを出したと大久保は言う。「後半のロスタイムに、オレがヤジ(矢島卓郎)にパスを出した場面があったけど、落ち着いてシュートするのではなくて、空いているヤツに出す。そういうことが大事だと思うし、それで全然変わると思う。焦らずに、相手をおちょくるようなプレーをすればいい。みんな技術がありますし、できると思います」。

 6本のシュートが空砲に終わったこと「悔いは残っていない。仕方ない」と、言い切る大久保。黒星デビューとなったが、新天地である川崎Fに大きな可能性を感じ取ったようだ。

(取材・文 河合拓)

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