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J2ワースト記録となる開幕6戦無得点の岐阜MF服部「下を向かずにやらないと」

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[3.31 J2第6節 東京V3-0岐阜 味スタ]

 昨シーズン、最終節でJ2残留を決めたFC岐阜だったが、今シーズンも苦しい戦いを強いられている。開幕6試合を終えて勝利がないばかりか、開幕6戦ノーゴールというJ2ワースト記録をつくってしまった。行徳浩二監督は「後半はシステムを変えて多少、押し込みましたが、崩し切れそうだけれども、崩し切れない。最後のところでやりきれないところが不甲斐なかった」と、肩を落とす。

 FWファビオは出場停止だったが、ケガのために開幕から離脱していたMF服部年宏がスタメンに復帰した東京V戦は、岐阜にとって復調の足掛かりにしたい一戦だった。しかし、開始3分で東京VのFW高原直泰に先制点を決められると、同17分にはFW常盤聡のクロス性のボールがゴールに決まり、点差を広げられる。さらに35分にもMF西紀寛にゴールを許し、前半だけで3失点を喫した。後半に入ってからは、東京Vがペースを落としたこともあり、岐阜がボールを前に運ぶ場面も出てきたが、行徳監督が話したように、決定機はつくれなかった。

 早い時間帯での失点で、プランが狂ったと服部は言う。「もっとゲームを落ち着かせたかったんだけど、そういうリズムではなかったね。前半15分くらいを0-0で苦しみながらも耐えてっていう展開かなと思ったけど、立ち上がりでポン、ポンとやられて。2点目のやられ方も、何とも言えないゴールだったけど、実力差が今日は数字上に出た」。その上で39歳のベテランは「下を向いてはいけない」と繰り返した。

「足りないものがあるとか、本当にヘタだなとか、弱いなとか、そういうことを自覚してしっかり練習に取り組まないといけないと実感したと思う。下を向かずに、やっていかなければいけない」

 服部自身も、楽しみにしていた一戦だった。磐田でともにプレーしたFW高原直泰も、今季から東京Vに加入していたからだ。試合後のミックスゾーンで高原を見つけた服部は「最後にクリアーしてやったよ、おまえのゴール。意地で。滑って(止めて)やったよ」と、言葉を交わした。

 この試合で出た修正点について聞かれると「全部でしょ。できたことの方が少ないんでね。本当にちゃんとしたパスをつなぐ、ボールを蹴る。ドリブルをする。トラップをする。そういうところのクオリティを高めていかないと厳しいでしょう。でも、それをやっていけば、多少はできると思うので、やるしかないです」と、気持ちを切りかえた。ワースト記録をつくってしまった事実は、変えられない。それでも勝敗が決した状態で、意地のシュートブロックを見せたベテラン同様に、チームもここから意地を見せられるか。

(取材・文 河合拓)

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