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J1の壁に直面する湘南MF高山「もっと一体感を出さないと」

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[4.14 J1第6節 浦和2-0湘南 埼玉]

 勝利が遠い。今シーズン、J2からJ1に昇格した湘南ベルマーレだが、14日の浦和戦にも0-2で敗れ、開幕からの通算成績は3分3敗で未勝利が続いている。この試合も序盤から積極的にプレスを仕掛け、良い試合の入り方はできた。しかし、高い位置ではほとんどボールを回すことができずに、完封負けを喫している。

 MF高山薫は力の差を認めながらも「(浦和は)うまいんですけど、うまいとか言っていたら成長しない」と語気を強めた。相手のことを考えるのではなく、あくまでも自分たちが成長しなければいけないと、高山は言う。

 この試合でもボールを回収するところまでは、うまくいっていた。しかし、ゴール前までボールを運ぶ回数は少なく、8本のシュートのほとんどはPA外からのものだった。「奪った後が大事。そこでトラップミスがあったり、ボールの持ち出し方が悪かったりして、自分たちのミスでチャンスをつくれなかった」と高山は唇を噛む。高山にもMF古林将太からのクロスを受けて、シュートを打つ場面があった。その場面を振り返り「ちゃんと当てたかった。あれで点を取れていたら、展開は違っていた」と反省した。

 開幕から未勝利が続いているが、自信は失っていないという。昨年の経験を良い意味で教訓にできているようだ。「昨年も10試合くらい勝てないことがありましたし、自分としては自信を失っているとは思いません」と話す。だが、その一方で「一体感をもっと出さないと。昨年はもっと一体感があったと思う。もっとコミュニケーションをとってやっていきたい」と口にした。J1の舞台で湘南の選手たちが、個の能力で相手を上回れる試合は多くない。集団の力で対抗していかなければ、J1残留は難しいだろう。

「僕たちは若いし、失うものがない。若いのは、良い意味で怖いもの知らずです。僕らは、勝てば『金星』と言われますが、逆に相手は湘南に負けたら『取りこぼし』と言われる。だから前向きにやっていきたいし、同じ相手に2回負けたら『湘南戦は余裕』と思われてしまうから、次に浦和と対戦するときはリベンジできるようにしたい」

 この日の先発の平均年齢が23.82歳という若いチームだけに、一つの勝利で勢いづく可能性は十分だ。次節、湘南は同じくJ2から昇格してきた大分と対戦する。「絶対に負けたくない」と、高山は意気込む。「一つ勝てば乗れるという感触もありますし、開幕戦の横浜FM戦(2-4)や清水戦(1-1)も紙一重の試合で、勝つチャンスはありました。そこで勝ち切れていないところが課題ですが、自分たちが、こぼさなければJ1でも勝てると思います」。

 今節、鹿島と接戦を演じた大分も、同じことを考えているだろう。未勝利同士の一戦となる次のホームゲームは、湘南にとって今季の行方を大きく左右する一戦になりそうだ。

(取材・文 河合拓)

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