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日本代表DF今野のFW起用もかなわず、G大阪は0-3完敗

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[7.7 J2第23節 千葉3-0G大阪 フクアリ]

 3点を追う後半27分だった。ガンバ大阪長谷川健太監督が、ボランチのMF今野泰幸に「FWに上がれ」と仰天指令を出した。

「うちには高さのある選手がいないのでクロスが入っても中で合わせられる選手がいない。今ちゃんにはそれを期待して前線に上げた」

 監督の指示を受けた今野は「自分でも驚きがあったけど、何が何でも追いつきたいと頑張った」と不慣れなポジションで奮闘。急遽2トップを組むことになったFW川西翔太に身振り手振りを交えながら「ワンタッチで欲しいとか、いろいろな要求をした」。

 だが、急造2トップでの動きは、前節に2得点を決めた今野といえどもさすがにスムーズとはいかず、「効果的に絡めなかった。クロスも来なかった」と、反撃はかなわなかった。

 J2記録の8得点を奪った前節FC岐阜戦から一転、無得点で90分を終えてしまったのは残念だが、むしろ心配なのは3月3日の京都サンガとの開幕戦以来の3失点か。

 後半27分までは今野とダブルボランチを組んでいた日本代表MF遠藤保仁は前半12分、23分、後半13分の失点に「相手に効率よく点を取られたのだと思う。下を向く必要はない」と言ったが、今野は「効果的に点を決められたとは思うが、でもしっかり崩されての失点だったし、セットプレーから取られたのも問題。その課題は修正しないといけない」と重く受け止めている。

 2位の神戸が勝ち、勝ち点2差に迫られた今、危険なのはJ2降格を招いた守備の崩壊を繰り返してしまうことだ。折しも、関東甲信地方の梅雨明けが発表されたこの日、キックオフ時の気温は28.4度、湿度75%という過酷なコンディション。これからは守備の集中力が一層必要になる。

「それと、これからの暑さの中での試合で大事なのは先取点。先に取られると引かれるので、先取点が大事になる」と勝敗のポイントを力説した今野は最後に「J2は総力戦。皆の力でJ1昇格を決めたい」と言葉に力を込めていた。

(取材・文 矢内由美子)

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