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ロスタイムの劇的同点弾で甲府が5戦連続無敗! 浦和は3位に後退

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[9.21 J1第26節 浦和1-1甲府 埼玉]

 Jリーグは3日に第26節を行い、2位の浦和レッズは15位のヴァンフォーレ甲府と対戦した。前半から一方的にボールを支配した浦和は、後半5分にMF阿部勇樹のPKで先制する。その後、甲府は元日本代表MF羽生直剛、MF水野晃樹、FW平本一樹を起用して反撃に出る。後半ロスタイム7分、猛攻を見せる甲府はDF青山直晃が同点ゴールを決めた。このまま試合は1-1で終了。土壇場で勝ち点2を失った浦和は、勝ち点47にとどまり、広島に抜かれて3位に後退。一方、甲府は土壇場で勝ち点1を獲得し、連続無敗試合数を5に伸ばした。

 前節、F東京に3失点を喫して敗れた浦和は、GK山岸範宏が今季リーグ戦初スタメン。MF鈴木啓太をベンチに置き、最終ラインの中央にDF山田暢久を起用し、最終ラインの中央に入っていた那須大亮をボランチに上げた。一方、4戦無敗(3勝1分)と好調の甲府は、前節の鹿島戦(3-0)と同じスタメン、布陣で試合に臨んでいる。
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 両チームともに3-4-2-1の布陣で試合をスタート。ボールを保持する浦和と守る甲府という構図がはっきりとした。浦和はボランチのMF阿部勇樹とMF那須大亮が最終ラインに入り、3CBの左右にいるDF森脇良太とDF槙野智章が高い位置を取る。WBのMF平川忠亮とMF宇賀神友弥は森脇、槙野より高い位置に入り、2列目のMF原口元気、MF柏木陽介らと1トップのFW興梠慎三が最前線に5人並ぶ3-2-5のような形で攻める。左右のWBがサイドを押し込まれる形になる甲府は、5-4-1のような形で浦和の攻撃を受け止めた。

 ようやく前半19分、浦和がこの試合、最初のチャンスをつくる。MF宇賀神友弥が左サイドを縦に抜け、クロスを入れる。これをFW興梠慎三がヘッドで合わせる。ボールはゴールマウスに飛んだが、GK荻晃太に枠外へと弾き出された。

 対する甲府も22分、浦和のパス回しが乱れると、MF河本明人が高い位置で森脇からボールを奪ってドリブルで仕掛ける。戻ってきた那須にファウルで倒されてFKを獲得。MF福田健介が柔かいボールをゴール前に入れたが、最後はGK山岸範宏にキャッチされた。同26分にも甲府は速攻からFWパトリックがゴールを狙ったが、ボールは左サイドネットに外れている。

 攻めあぐねる浦和は、左WBの宇賀神が攻めに変化を加える。縦にドリブルを仕掛けたり、前半29分には原口の縦パスを興梠がポストプレーしたボールを受け、ミドルシュートに持ち込むなど、積極的な姿勢を見せた。同38分には甲府も決定的な場面をつくる。山田暢とのハイボールの競り合いを制したパトリックが、GK山岸との1対1になる。最初のシュートを足でブロックされたパトリックは、こぼれ球を拾って再びシュート。しかし、これもGK山岸に右腕で弾かれると、角度のない位置から放った3本目のシュートを枠に飛ばせず、決定機を逸してしまう。その後、浦和も一度だけ原口のドリブル突破からチャンスをつくったが、膠着した試合は0-0のまま、ハーフタイムに入った。

 後半開始と同時に浦和は山田暢を下げて、MF鈴木啓太を送り出し、ボランチに入っていた那須を最終ラインの中央に入れた。後半もボールを保持する浦和は、前半4分にFKを得る。これを槙野がシュートする。これが壁の中にいたパトリックの右腕に当たり、浦和はPKを獲得。これを阿部がゴール左に決めて、浦和が1点を先制した。

 1点をリードされた甲府は、後半14分に河本を下げて、羽入を起用する。ジウシーニョをFWに上げた3-4-1-2に布陣も変更した。68分に浦和は原口が左サイドから中へドリブルを仕掛け、右足でシュートを放つ。しかし、これはGK荻の正面を突き、追加点を挙げられない。甲府も69分、左サイドからのクロスをパトリックがヘッドで合わせたが、GK山岸に阻まれて得点はできなかった。

 74分に甲府は保坂に代えて、水野を投入する。水野が左WBに入り、福田がボランチにポジションを変更した。さらに平本を投入した甲府は、88分に右サイドからのクロスをパトリックがヘッド。しかし、これもGK山岸に阻まれた。浦和は宇賀神を下げて、DF永田充を起用するなど、守備固めに入る。5分間の長いロスタイムの中で、浦和は途中出場した梅崎が原口からのパスを受けてシュートするが、DFに当たったボールは枠外へ。

 このまま試合は終了するかと思われたが、後半ロスタイム7分にドラマが起きる。左サイドから水野が入れたボールをパトリックが競り勝つと、走り込んだ平本がシュート。これは右ポストを叩いたが、こぼれ球をセットプレーの流れで攻め残っていた青山がゴールに蹴り込み、同点に追い付いた。このまま試合は1-1で終了し、両チーム勝ち点1を分け合っている。

(取材・文 河合拓)

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