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U-23日本代表vsエジプト 試合後の関塚監督会見要旨

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[8.4 ロンドン五輪準々決勝 日本3-0エジプト マンチェスター]

 U-23日本代表は4日、ロンドン五輪準々決勝でU-23エジプト代表と対戦し、3-0で快勝した。前半14分、FW永井謙佑のゴールで先制すると、数的優位に立った後半にはセットプレーからDF吉田麻也、FW大津祐樹が追加点。守備陣も4試合連続の無失点に抑えた。銅メダルを獲得した1968年のメキシコ五輪以来、44年ぶりの4強入り。7日のメキシコとの準決勝に勝てば、五輪史上初の決勝進出、さらには初の銀メダル以上が確定する。

以下、試合後の関塚監督会見要旨

関塚隆監督
―男女ともに準決勝に行くが、両チームが金メダルを取ることは可能か?
「なでしこジャパンは世界チャンピオンになっているが、我々は世界にチャレンジということで来ている。1試合ごとに力を付けてここまで来た。次の準決勝もしっかりと戦って、メダルに是非、手を届かせたいなと思う」

―4試合無失点だが、守備の評価は?
「11人がしっかりと攻撃と守備と連動して、守備だけでなく、ボールを失ったところから守備が始まる。ボールを奪った、あるいは持ったときから攻撃が始まる。攻撃と守備を分けるのでなく、それを90分つなげていこうということでスタートして、そういうところが機能してきたと思う」

―トゥーロン国際大会でのエジプト戦からの成長は?
「エジプトの試合を見たときに感じたのは、スペインの逆バージョンというか、5番(モハメド・アブトレイカ)の中心選手が左サイドから中に入ってプレーする。そして、右ウイングの11番(サラー)が一つの崩しの起点になる。このへんのマークを外さないように、そして全体のバランスが崩れないように。そこがポイントだったと思う」

―メキシコ五輪以来、44年ぶりのベスト4だが? メキシコ五輪では縁の深い宮本(征勝)さんがプレーしていたが、宮本さんにどんな報告をしたいか?
「まだ、そこに対する感想というか、とにかくこの大会が終わってからしっかりと報告したい。44年ぶりに五輪でベスト4に入れたことには満足している。ただ、やはりここからもう一つ上に行くために、この2日間しっかりと準備して、また準決勝で我々らしいサッカーで戦っていきたい」

―残り2試合で必要なことは? 永井の状況は?
「メンタル的なところ、それとフィジカル的なところ。そこをいかにこの2日間で整えるかが大事になると思う。永井は一度入ったが、打撲と聞いている」

―ここまで来る自信はあったか? あるいは選手が予想以上に伸びたのか? これまで批判を受けることも多かったが?
「僕自身の心境としては、とにかく本大会を戦う、世界を倒してやるという気持ちで、この大会に入った。決められたスケジュールの中でコーチ陣としっかりと計画して、それを選手と一体になって積み重ねてこれた結果、いい形で大会に入れたし、結果にもつながっていると思う。そういう分析するときにどうなのか、自分の頭の中であとで振り返ってもできるように、ここまですべての人が素晴らしい仕事をしてくれた結果が、ここに来ていると思う。あとは多くの日本人サポーターですね」

―日本サッカー全体の底上げの成果だと思うか?
「前回の銅メダルのとき僕は8歳だったので、そのときの印象はなかなかないが、やはり日本リーグが発足したのもメダル獲得ということでの盛り上がりが一つあったと思う。そのあと勝てない時期があったが、1993年のJリーグの発足も転機だったと思う。そして、2002年に日韓でW杯も開催され、いろんな経緯の中でいろんな面の成長があったと思う。僕はU-23、五輪の監督として指揮を執っているが、ここにたどり着くまでの育成年代の指導者の情熱というか、それを協会としても積み重ねてきた。それが今回の大会で出ている。海外で活躍する選手も出てきたし、みんなの努力、サッカーに対する情熱、好きだということでここまで来たと思っている。皆さんに感謝しているし、指揮ができて幸せだと思う。あと2つあるので、しっかりと戦って、皆さんの努力、情熱に応えたいと思っている」

―なでしこジャパンがW杯で優勝したことで男子のモチベーションも上がったか?
「これは縁というか、このチームを立ち上げた2年前にアジア大会でアベック優勝してるんです。そのときから佐々木監督、なでしこジャパンの選手たちから我々はいい刺激を感じながらやってきた。そして、ここでまた2つのチームが準決勝、ウェンブリーで戦える。それは本当に素晴らしいことだと思っている」

(取材・文 西山紘平)

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