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日本vsイラク 試合後の選手コメント

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[9.11 W杯アジア最終予選 日本1-0イラク 埼玉]

 日本代表は11日、W杯アジア最終予選第4戦でイラク代表と対戦した。FW香川真司が腰痛で欠場した日本は前半25分、FW前田遼一のゴールで先制。追加点は奪えなかったが、守備陣が無失点に抑え、1-0で競り勝った。最終予選のホームゲームは3試合連続完封で3連勝。3勝1分の勝ち点10に伸ばし、ブラジルW杯出場に大きく前進した。

以下、試合後の選手コメント

●FW前田遼一(磐田)
―スローインからの流れは練習どおり?
「はい。最高のスピードで最高のボールをくれたので、決めることができて良かったです」
―岡崎選手からダイレクトで来ることも分かっていた?
「そうですね。はい」
―序盤はチャンスがなかったが?
「そうですね。でも、結構マークがルーズになるということは分かっていたので、クロスは狙っていた」
―攻撃の形がつくりにくかった?
「でも、慌てていかなくてもいいかなと思っていた。必ずチャンスは来るからという考えでいた」
―代表10得点目。半分が中東からだが?
「(マークが)ルーズなので。ふた桁得点もうれしいけど、周りにはもっと取っている人もいっぱいいる。これを通過点にしたい」
―決勝点を取ったが、MOMは川島選手だった。
「本当に素晴らしいセーブを何回も見せていたので、ふさわしいと思います」
―ホームでの予選3試合、全試合でゴールしているが?
「最高の雰囲気をサポーターのみなさんがつくってくれているので、その中で決められたことはうれしい」
―清武選手が左に入ったが?
「結構、前を向いてくれるのでそこからのクロスは何回か狙っていた」
―ゴール後のゆりかごは?
「(西川)周作のうちに(子供が)産まれたので」
―イラクは対策もしてきたが?
「スカウティングしていた感じとだいぶ違って、メンバーもだいぶ違った。戦術もだいぶ違って、ガツガツ来ていた。そういう意味ではなかなか思いどおりにプレーさせてもらえなかったのが現実です」
―その中で守備でもクリアしたり、泥臭いプレーもあったが?
「そういうところで負けないように、そういうところでもチームに貢献できるようにと思った。ただ、正直、マークを外したり、チームに迷惑をかけていた部分もある」
―ここまでの4試合、自身の出来とフィット感は?
「試合に出てゴールを決めているのはうれしいけど、プレーはもっと上げていかないと。もっとレベルアップしてもっといいプレーしたいというのが本音です」
―具体的には?
「ボールを失う場面も多いし、もっとシュートも打ちたい」
―UAE戦はハーフナー選手が出ていたが、危機感はあった?
「危機感はいつもあります。あの試合に出たからというのはない。定着したという気持ちは、全然ありません」
―後半の初めに相手にケガ人が出たとき、本田選手と何を話した?
「距離感とか、そういう話です。距離感が良くない時間帯もあった」
―本田選手が近くにいたが?
「(本田)圭佑からも『マンツーマンで来ているから、自分が空けているスペースを使ってどんどんボールを受けて』と言われていたけど、ちょっとボールを失い過ぎた」
―予選の前半を終えて勝ち点10という結果は?
「引き分けを一つ挟んでいるけど、良いと思う。でも、自分の仕事はできたけど、それ以外のチームを助けるプレーとかをもっとしたかった。もっとがんばります」

●FW岡崎慎司(シュツットガルト)
―左足でアシストしたが?
「そんな蹴れないけど、ドイツでは『シンジは(左右両足)どっちも使えていいね』と言われる。そんなことはないんだけど。でもそう思われているのは悪くないので(笑)。チャンスメイクのシーンは増えてきているけど、シュートのシーンがなくて、FWとしてはもっとそういう機会を増やしたかった。ただ、右でチャンスメイクできて、結果としてアシストが付いたのはよかった」
―練習どおりのゴールだった?
「練習どおりというか、代表になってああいうのは結構成功している。ヨルダン戦でもオーストラリア戦でも1回はあの形でチャンスをつくれていた。その1回が入ったという認識。前田さんがよく決めてくれた」
―とっさに左足でクロスを上げた?
「相手が来ていたので、とりあえず左で当てたらいいかなと。瞬間的に判断できるようになっているし、相手の状況を見てプレースピードを上げていければ」
―清武のヘディングシュートも左足のクロスだったが?
「深くまで行ったらクロスというのは意識しているし、キヨ(清武)は見えていた。点を取る動きと、点を取らせる動きはいつもクオリティーを上げていかないといけないと思っている」
―左に清武が入った2列目の3人の連係は?
「(香川)真司が出ているときと変わらない。左でつくりながら右に持ってきたときにチャンスになる。バランスよく攻めれていたと思う。後半はちょっと失速気味だったけど」

●FW清武弘嗣(ニュルンベルク)
「ドイツに戻ったら、すぐに試合があるので。そっちでもがんばります」
―ドイツに移籍して再び代表でプレーしたが、変化はあった?
「ボールをもらうときに相手がデカくても、まず体を当てて、自分の前にスペースをたくさんつくって、体で負けないようにしないといけないと思った。でも、足がふらつくシーンもあったし、もう一回、向こうに行ってしっかりやってきたい」
―当たりには慣れてきた?
「まだまだだと思う。でも、海外の選手とやる機会はこれからも続くし、五輪から続いているので、少しずつそういう感覚はつかめている。それでも、ボールを失うことが多々あったので、そこは修正したい」
―C大阪時代より伸び伸びとプレーしていたが?
「いえ、いつもどおりです。セレッソのときと変わりません」
―代表はポジションチェンジの回数が少ない?
「流れの中では監督も『変わっていい』と言っていたけど、今日は相手がマンマーク気味についていたので難しかった」
―ドイツで積み重ねたい部分は?
「結果を出せればいいと思う。ゴールでも、アシストでも、結果がほしい」

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「勝てたことは大きかった。それが一番の収穫。個人的には決定力不足を露呈した試合だった。後半は必ずチャンスが来ると思っていたし、キヨ(清武)からのボールも事前に言っていた形だった。決めていれば完璧なゴールだったけど、決め切れないのはちょっとした差。それがビッグゲームになると、命取りになる。どうやって改善されるかといえば、続けるしかない。なんぼ外しても続けるだけ。名ストライカーが言っていた。ゴールはケチャップみたいなもの。出ないときは出ないけど、出るときはドバドバ出る。しっかり反省して、前を向いて。次の試合では取れる自信もある。前を向いて、ロシアに戻って、自分のクオリティーを上げていきたい」
―シュートまでのプロセスはよかった?
「マンツーだったけど、オランダ時代にはよくマンツーで付かれていた。今日は試合前から予測していたし、イメージもできていた。消える動きがポイントだと試合前から意識していた。後半はスペースが出てくると思っていたし、パスをもらうまでは、シュートまでは狙いどおりだった」
―試合後、ザッケローニ監督から何か言われていたが?
「監督は『ゴールを取れ』というか、普段から『もっとゴールを取れるはずだ』と言われる。自分自身、ゴールを求めているけど、『もっとゴールを取れ』と言ってくれる人は少ない。監督としてというより、一人のアドバイスをくれる人間として貴重だと思う。満足している素振りは一切見せないし、いい傾向だと思う」
―何か言い返しているようにも見えたが?
「そもそも直接はコミュニケーションは取りづらい。英語で何とか話しているけど。『消える動きは何回もしているけど、パスが出てこないときもあった』という話はしたけど、監督からすれば、1回でもチャンスがあるならそれを決めろって感じでしょうけどね。お互いに直接コミュニケーションを取れないぐらいがちょうどいいんでしょう。向こうも俺の言ったことはあんまり分かってないだろうし」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―イラクの先発は予想していたメンバーとかなり違ったのでは?
「相手の先発メンバーは予想どおりだった。何も驚きはなかった。5番と10番が出ないのは予想していた。ただ、(中盤の3人に)3人でマンツーできたのは予想外だった。何となく考えていたけど、あそこまでベッタリ来るとは思っていなかったので、最初はどうしようかなと思ったけど、時間がたつにつれて、冷静にできたと思う」
―予想外というのは、マンツーは1枚くらいと思っていたということ?
「マンツーで来ないと予想していたのに、3人に3人が来ていた。(本田)圭佑にもマンマークがついていて、バイタルをうまく使えなかったので、後半はそれが課題かなと思っていたけど、前半のうちに1点入ったので、それほど前に行かなくてもいいようになった」
―3人がマークされたことでCBにボールを持ち上がらせたりして対処した?
「CBがフリーになっていたし、CBがボランチになればいいだけだから。ただ、サイドでもっと数的優位をつくったり、プレースピードを上げることで、もっとビッグチャンスが生まれたと思う」
―試合の中ですんなり対応できたのはなぜ?
「向こうがどのように来たとしても、個の力で相手を上回っているというのもそうだし、チームとして対応できるというのもある。コミュニケーションもしっかり取れていたし、ボールが止まっているときに監督や選手同士で話し合えた。早い段階で気づいたので、そのあたりも優位に試合を進められた要因だと思う」
―4試合で勝ち点10ということについては?
「イラクとも差がついたし、他のチームより1試合多いような状況だけど、勝ち点10はほぼパーフェクト。順調だと思う。ただ、まだ半分終わったところだし、これからアウェーが続く。できるだけ早く予選突破できるようにしたい」
―ジーコが率いるイラクとの試合だった。
「そういう意識はしなかったけど、久しぶりにジーコさんに会えたし、何より勝ち点3を取れて良かった。『体に気をつけてがんばれ』『若くていいチームですね』『日本はゲームをコントロールできる選手が多いのでがんばって』と会話しました」
―国際Aマッチ121試合目だった。
「意識はないです。またJリーグに戻るし、次は10月の欧州遠征。これからも足を止めずにやっていきたい」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―久々のフル出場だったが?
「個人的には90分何とかやった感じです。自分の中でフィーリングが合わないところもあった。チームが勝ったことはよかったけど、満足はしていない」
―イラクの印象は?
「ジーコさんによく研究された感じはある。一回リトリートして、僕と(本田)圭佑、ヤットさん(遠藤)のところにマンマークを付けてきて、中盤でボールを回せなかった。中盤で激しく来られて、相手のコンディションもいいなと感じた。糸口というか、チャンスは多くなかったけど、得点の形はこのチームが始まってからずっと練習していたし、今回の合宿でもやっていた」
―完封だったが?
「守備の部分でも危なかったのはセットプレーとカウンター。カウンターもうちのセットプレーからのカウンターだった。崩されてどうこうはなかったけど、セットプレーで前半2回危ないところがあった。そこは集中しないといけない」
―相手の10番と5番がベンチスタートだったが?
「今日のミーティングでは10番と5番が出てこないのはスカウティングで分かっていた。前の日までは5番と10番が中心というスカウティングだったし、新しい選手、初めて招集された選手もいて、どういう特長かまでは分からなかった」

●MF細貝萌(レバークーゼン)
―監督からの指示は?
「まず(本田)圭佑と岡ちゃん(岡崎)のサイドを変えるというのと、あとはセットプレーで(長友)佑都とマークを変えるということ。あとは3ボランチになって、自分がアンカーに入って、長谷部さん、ヤットさん(遠藤)と3枚でやることですね」
―3ボランチは準備してきた?
「そんなに準備はしていなかったですね」
―ぶっつけの形?
「そうですね。でも、役割としてはリードしているときに入ることは分かっていたので。そういう話はちょこちょこしていました」
―難しいゲームだった?
「簡単なゲームはないと思うし、ここから徐々にいい方向に向かっていけばいいと思う」

●DF長友佑都(インテル)
「相手がマンマークに来て難しかったけど、上に行くにはこういう相手を崩さないといけない。世界のトップに行くにはまだまだやることが多い。今日もフィジカルで負ける場面があった。そこで負けていたら世界のトップにはなれない。まだまだやることは多いし、課題が見つかった試合だった」
―先制点で楽になった?
「あの1点は大きかったけど、まだまだ満足できない。一人ひとりが精度、フィジカルを上げていかないと。来月、フランス、ブラジルとやれる。そこで試せるかなと」
―チームは成長してきている?
「もちろんチームの成長は感じるけど、その成長が遅いかなと。W杯まで、あと2年ない。その2年で個人として、チームとしてどこまで成長できるか。この成長度合ではまだまだW杯優勝は狙えない。確実に成長しているけど、満足していたら上には行けない。本当にトップを取りたいし、ブラジルW杯に対する思いは強い。満足はできない。まずは僕が世界一のSBにならないと、チームを引っ張れない」
―イラクは日本を研究してきた?
「ジーコがいい対応をしてきたなとは思った。やりづらは正直あった。マンマークで来て、ボランチを抑えられて。パスの出しどころを抑えられたときにだれがゲームを動かすか。それは今後考えていかないといけない」
―左サイドは支配していたが?
「アジアのレベルで負けていたら日本代表の資格はない。そういう意味では圧倒的に勝ちたい。個人が成長しないと戦えない」
―香川が急きょ欠場したが?
「僕も試合前のミーティングで知った。こういうこともある。チームにとっても大切な選手だし、攻撃のバリエーションは難しくなるけど、キヨ(清武)もがんばってくれたし、みんなでレベルアップしていきたい」」

●DF伊野波雅彦(神戸)
―90分プレーしてどうだった?
「戦術として迷っていた部分もあった。そこで自分の持ち味を出さないと、自分の感覚を取り戻せないと思ったので、戦術も大事だけど、自分の前に前に行くという持ち味を意識してプレーした」
―戦術は監督に言われたこと?
「どうしてもそれにとらわれすぎて、裏を取られたくないから下がってしまうことがあった。やっぱりそれでは自分の良さは生きないと思ったので、裏に出されたら、そこで対応するのが自分の特長だと思ったので。それは2日前くらいから考えていた。それでいくしかないなって」
―結果が出たことについては?
「ゼロで抑えられたのは一番良かった。何度か危ないシーンはあったけど、前回の試合、前々回の試合に比べたら、しっかり対応できていたかなと思う」
―途中から10番が入ってきたが?
「10番と5番の対策は、練習のときからやっていた。5番が持った瞬間に10番が動き出すというのは、トレーニングのときからしっかりやっていた。動き出しが上手い選手というのはミーティングでも確認していたので、入ってきた瞬間にそこは来るなと思った」
―クロアチアでの経験は生きた?
「その経験もあるけど、自分の中でしっかり切り替えられたことが大きい。自分の持ち味を出しながら、戦術を当てはめていこうと思ったので。それが、前回、前々回の試合では逆になっていたので、どうしても一歩遅れて、対応が遅れた。それを逆にしてみようと」
―監督には試合後、何か言われましたか?
「試合後ですか? 『やればできるんだから、しっかりやれ』と(苦笑)。考え過ぎとか、そういう部分があったんじゃないかと」
―アジア杯のように最後は点も取るかと期待したが?
「チームでやるより、代表の方がマークに付かれない分、得点のチャンスはある。点を取れたら良かったけど、DFとしてはゼロで抑えられて良かった」

●DF駒野友一(磐田)
―ジーコとは話した?
「それが話す場面がなかったんです。会えなかったので……」
―どんな試合をしようと思った?
「まずは勝つことを考えてやっていた。チームとして成長しているところは見せられたと思う。形として、それを出せたと思う」
―スローインは?
「あの形は練習していた」
―中盤の3枚にマンツーマンで付いてきていたが、サイドはどうだった?
「サイドも、サイドハーフとサイドバックにうまく対応されていたので、うまくオカちゃん(岡崎)と崩すことができなかった。そういった2対2の中でもうまく崩していければいいと思う」
―ハーフタイムに修正したことはある?
「マンマークが付いていることで、他の選手が動きながらボールを受けようということだったけど、ハーフタイムにボールをもらう側の動きが少ないということで修正が入ったので、そういう意味では後半は運動量が増えたと思う」
―06年から比べて自分の成長した部分は?
「結果を出して自分のプレーを見せたかったけど、結果を見せられなかったと思っている。でも、勝つことが一番だったので」

●GK川島永嗣(スタンダール・リエージュ)
―試合の感想は?
「非常に重要な試合だと思っていたから、良い結果を出すことができてよかったし、チームのために何本かシュートを止めることができて満足しています」
―前半41分には駒野選手の影から来たシュートに対して素晴らしいセーブを見せたが?
「あの状況では、どんなシュートが来てもフレキシブルに対応できるようにしていた。うまく対応できて良かった」
―移籍してから初めての予選。変わったことは?
「僕の中で変わった部分はそんなにない。僕自身、今回入ってからもコンディションが良かった。フィジカル的にも、メンタル的にも、いくら前日までコンディションが良くても意味がない。試合の日にどれだけ良い状態でいられるかが大事だし、それはどこにいても変わらない。今はこの試合を終えて、また自分のチームに戻って良い結果を出すことしか頭にない。1試合1試合、代表でもそうだし、自分のチームでもレベルアップできるようにがんばっていきたい」
―MOMになったことは?
「僕にとって大事なことではない。大事なことは試合に勝つことなので。昨日まで良い準備をしたと言っても、今日何もできなかったら何の意味もなかった。だから、チームのためにできて良かった」
―受けるシュートは減ってきた?
「まだ試合によりますね。この前は多かったですし」

●FW香川真司(マンチェスター・U)
―腰の状態は?
「大丈夫です。昨日ちょっと練習中に腰をやっちゃって。治療したけど、チームに迷惑をかけるよりは監督と話して今回はベンチ外ということになった」
―どんな状況で痛めた?
「ボールを持っているとき、一瞬の動きのときに痛めた。試合に出られなかったのは残念だけど、そんな重傷じゃない。長引かないと思う。治療して、1日でも早く復帰したい」
―今は普通に歩いているが?
「歩くのは問題ない。力を入れたときに腰に響くときがある。コンディションが100%ではないという判断だと思う。やれることはやったけど……」

●DF酒井宏樹(ハノーファー)
―ベンチ外ということだったが?
「監督も考慮してくれたと思うし、クラブに帰ってしっかりがんばっていきたい。代表という場所はすごい大事だけど、クラブで試合に出ないと代表にも入れない。そこを考慮してくれたと思う。代表でのプレーもクラブでやっているプレーも変わらない。その質を上げていきたい。試合勘が戻ってくればもっともっといいプレーができると思う」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子、河合拓)

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