[2.6 キリンチャレンジ杯 日本3-0ラトビア ホームズ]

　日本代表は6日、キリンチャレンジ杯でラトビア代表と対戦し、3-0で快勝した。ザックジャパンの2013年初陣は、2年半ぶりに1トップで先発したFW岡崎慎司が前半41分に先制点。後半15分、FW本田圭佑が追加点を決めると、同16分には岡崎が自身2点目となるゴールを奪い、3得点の快勝で2013年のスタートを切った。

以下、試合後のザッケローニ監督会見要旨

●アルベルト・ザッケローニ監督
「代表の活動は2か月間、空いていたので、どういうチーム状態になっているかに興味があった。前半はスムーズにいかない、さびついているところがあった。相手も引いてコンパクトにしていたが、なかなかスペースをこじ開けられず、短いパスが続いてスピードを上げることができなかった。ポゼッションを重視し、相手を走らせて疲れさせることに重きを置いたために、ゴールに迫る気持ちが足りなかった。前半の終わりと後半はほぼ思いどおりのプレーをしてくれた。パスの距離も伸びたし、オフザボールの動きも増えた。後半の方が良さが出たと思うし、それを継続的に出してほしい。相手は我々よりフィジカルでは上だったし、オーガナイズされたチームだったと思う」

―後半がよくなったのは遠藤が入ったからか?
「個人的には前半の終わりから良くなったと思っている。その理由は、パスを足元ではなく、スペースで受けられるようになったから。後半はイニシアチブを取ってサッカーができた。細貝も悪くなかったし、遠藤も悪くなかった。我々は志の高いナショナルチーム。高いところを目指すのであれば、スピーディーなプレーによるサッカーを志向したい」

―1トップで先発した岡崎の評価は?
「代表チームで岡崎は常にいい仕事をしてくれている。結果としてこのチームの得点王にもなっている。彼が一番生きるポジションはセカンドトップで、センターFWがつくったスペースに飛び込むところで彼の良さが出る。センターFWは相手を背負うプレーが増えるが、セカンドトップならゴールに向かうことができる。これだけ得点能力がある選手なので、ゴールに向かいながらプレーすることで、さらに彼の良さが出ると思っている」

―初招集の大津をさっそく起用したが?
「できるだけ試合に出ている選手を出したいということで、海外組を重点的に使いたかった」

―岡崎を1トップで先発させた意図は?　本来のポジションに戻った後半は選手の良さも生きていたように見えたが?
「前田、遠藤は90分間使えないと思った。フォーメーションをつくる上で、戦術よりもフィジカルコンディションに重点を置いた。今回は親善試合で、国内組にもしものことがあってはいけない。Jリーグの開幕前なので、そういうことも考えた」

―さまざまな選手を試したが、どの組み合わせが一番良かった
「後半の方が良かったと思うが、それはチームとしてスペースに仕掛け、オフザボールでの仕掛けやパス&ムーブもできていたから。乾もシュートを打ち過ぎて、今ごろは足が痛いのではないかと思う(笑)。それくらい良い出来だったと思う」

―理想の11人が出ればいいプレーができるが、選手が変わるとそうはならない課題が残るが?
「その意見には同意できない。この2年半、長友や内田、香川、本田を欠きながらもいい戦いができた。問題があるとすれば、それは準備期間のところ。CBが欠けることもあったし、李忠成もケガで離脱した。彼らが一度に4～5人出られなくなれば、それは問題だが」

―2点目や3点目のようなコンビネーションが今後も重要になりそうだが?
「我々はゴールするために多くのチョイス、武器を持っているが、時にそのことを忘れて、きれいにゴールに向かいたがるところがあり、そこからセーフティーなプレーが多くなってしまう。縦にボールを入れてグラウンドを稼ぎ、前にどんどんボールを運ぶようなサッカーを目指すべきだと思う。乾が良かったと言ったが、ミドルレンジから積極的に狙うことで、普段とは違うレパートリーを出せた」

―試合後、本田と話していたが?
「まもなくロシアリーグは再開するし、3月のヨルダン戦に向けてコンディションを高めたい思いがあって、本田は90分間出場したかったようだ。それに対して私の意見として、まだコンディションが100%ではないので、90分やるとリスクが大きいのではないかという話をした」

―うまくいかない理由に準備期間を挙げたが、海外組が合流してすぐの試合で結果を出せたことに手応えを感じたか?
「チームのパフォーマンスを見る際、狙いを持ってトライしているか、プレーの精度はどうかというところにポイントを置いて見ている。今日の前半のようなプレーではこの先が思いやられるが、後半のようなプレーをしてくれれば今後が楽しみだと思う」

(取材・文　西山紘平)