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先発勝ち取るも不完全燃焼の柿谷「もっとやりたかった」

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[8.14 キリンチャレンジ杯 日本2-4ウルグアイ 宮城ス]

 7月の東アジア杯優勝メンバーの生き残り組の中で、ただ一人、先発の座を勝ち取ったFW柿谷曜一朗(C大阪)は、東アジア杯と同じく1トップでプレー。前半43分には相手の意表を突くヒールパスで好機を演出するなど、高い技術と多彩なアイデアの一端を披露することはできたが、FW本田圭佑(CSKAモスクワ)やFW香川真司(マンチェスター・U)との連係はさすがに今ひとつだった。

「(本田)圭佑さんと(香川)真司くんの2人で(攻撃を)コントロールしていた。もっと2人の連動に自分も絡めれば良かった。2人の動きは相手に見抜かれていたので、僕が絡むことでマークが分散されますから」

 連係がうまくいかなかったのも無理はない。本田と柿谷が練習したのは12、13日の2日間のみ。香川とはC大阪や世代別代表などで旧知の間柄だが、離れてから数年がたっており、感覚は戻りにくかった。

「圭佑さんは“迷わずにやれ”と声をかけてくれたりしたけど、うまくできなかった。真司くんとは昔やっていたけど、しばらく空いて感覚が薄れた」というのも仕方ないと言える。

 ただ、手応えもあった。前半33分の好機。自身がボールを奪ってからのカウンター攻撃の場面では、FW岡崎慎司からのラストパスを受けてGKと1対1になった。

 JリーグならGKとの間合いをズラして決められたかもしれないと思えるシーン。ウルグアイGKの飛び出しが絶妙で、柿谷のシュートはタイミングが合わず、最後はDFにクリアされたが、裏に抜ける動きや一瞬の俊敏性は強豪ウルグアイを相手にしても通用することが分かった。

 後半19分に退くまでに打ったシュートがこの場面の1本のみというのは寂しいが、「もっとやりたかったし、(次も出れば)もっと良くなると思う」と手応えをつかんだのは間違いなさそうだ。

「今回はいろいろな人の特徴が分かったのが収穫だった。1試合では無理だったので、次があれば……」

 9月の親善試合でみたび代表に呼ばれるため、C大阪で活躍し続けることが重要になる。

(取材・文 矢内由美子)

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