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[高校選手権]関大一、意外な試合巧者ぶりで、圧勝!

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[01.05 全国高校選手権準々決勝 関大一 4-1 藤枝明誠 市原臨海]

 3回戦の八千代戦に比べると、関大一の出来は良くなかった。中1日ゆえの疲労が残っていても当然だが、全体的に動きが鈍かった。ただ、意図的に、リスクが少ない、バランスがとれたサッカーを実践した側面もある。例えば、ボランチ久保開立(3年)は「まず、6番(MF辻俊行=3年をマークすることを考えました)。相手のキーマンを抑えてから、状況を見て、得意のカウンター攻撃を仕掛ける策だ。

 4得点のうち3得点はセットプレーがらみ。ただ、当たり前だが、流れの中で“それなりに”上手くボールを回せたからこそ、セットプレーを得られたわけである。

30分 1-0 CK(ボランチ梅鉢貴秀)→ヘディング(右SB小島悠司=3年)
32分 2-0 ロングスロー(ボランチ久保開立)が、ゴール前に“こぼれ”、MF三浦陽平(3年)がヘディング
39分 2-1 MF辻俊行
62分 3-1 CK(梅鉢)→ヘディング(小島)
78分 4-1 FW久保綾祐(3年)が流れの中で得点

 結果的に持ち味を存分に発揮した末の勝利だが、前半終了間際に失点した際は、“とられ方が良くない”ゆえに、懸念もあった。カウンターを狙った“トップ下”濱野友旗(2年)がドリブル中、辻田にボールをカットされ、即、豪快なミドルシュートを決められてしまったのだ。

 チャンスとはいえ、無理をする必要は“ない”時間帯だった。そのシーンを目前で見た右SB小島悠司(3年)いわく「外に出しておけば良かったんですよね。濱野は落ち込んでいましたが、小谷(祐喜=主将でCB)は、メチャメチャ怒っていました。だから、僕が慰めてやりました)」。

 濱野と小島は京都在住ゆえ、「いつも一緒に帰っています」(小島)という間柄。“チーム内で、うまく役割分担ができていることだね”と言うと、小島は「よく、いわれます」と微笑んだ。

 ちなみに、関大一が使用しているバスには、「1勝!」と記された遠藤保仁(ガンバ大阪)のサイン色紙が掲げられている。ところが、すでに3勝。「ここまで来るとは思っていなかったので、今、明日以降の練習場を手配しています。応援する生徒は、今日も日帰りですが、準決勝も、そうなると思います」(関大一関係者)。

上手くいくときは、“こんなもの”かもしれない。

(取材・文 木次成夫)

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