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[高校MOM193]静岡学園GK一ノ宮聖(2年)_選手権8強校撃破の立役者

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.31 静岡県高校新人大会中部地区決勝 藤枝明誠 1-2 静岡学園 藤枝明誠G]

 1点を返し、勢いに乗る全国8強校の前に静岡学園の守護神が立ちはだかった。後半、チームは自陣でも満足にボールをつなげず相手の猛攻にさらされたが、冷静さを失わない。枠を捉えたシュートを安定したセービングで次々とはじき返していく。そして1点のリードを守りきり勝利。川口修監督はこの日のマン・オブ・ザ・マッチとしてフィールドプレーヤーでは負傷退場するまでの27分間で存在感を放ったMF大島僚太(2年)の名を挙げ、守備のヒーローとしてGK一ノ宮聖(2年)を讃えた。

 一ノ宮は系列校の静岡学園中でも守護神を努めたGK。毎年のように好GKを輩出する静学の今年の背番号1は、抜群のシュートストップを武器に安定感あふれるプレーを見せる。後半開始直後の相手FKを抜群の反応ではじき返し、決定的なクロスには体を投げ出してコースを変えた。
 間違いなく藤枝明誠撃破の立役者だったが、本人は一方的に攻められた後半を「自分の責任」と反省。「自分のキックミスもあって試合が安定しなかった。反省しないといけない」。全国選手権で活躍したチームを倒したことにも「勝つことはいいけど、内容が大事」と表情を崩すことはなかった。

 実力を評価されながら、トーナメントで本来の力を発揮できない先輩たちの姿を見てきた。今年は、一瞬の隙を突かれて敗れ続けた昨年と同じ過ちを繰り返す訳にはいかない。相手に隙を与えずに勝つことが目標。「(内容を伴いながら)チームを勝たせられる存在になる」。自らに厳しい守護神が今年の静学を全国での勝利へ導く。

(取材・文 吉田太郎)

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