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[選手権]"村田→金島"広島皆実のホットラインが生んだ決勝点(鹿児島城西vs広島皆実)

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[高校サッカー注目選手クローズアップ]

[1.12 第87回全国高校サッカー選手権決勝 鹿児島城西(鹿児島) 2-3 広島皆実(広島) 国立]

 広島皆実(広島)の誇る“ホットライン”が決勝点を生んだ。2-2の後半21分、DF村田俊介(3年)の右クロスはファーサイドに詰めていたFW金島悠太(3年)の頭にピタリ。村田は「金島は(身長180cmと)高いし、ヘディングも勝てる。ファーサイドに上げれば勝てると思っていた」と言い、金島も「1年のときから毎日クロスを合わせる練習をしてきた。どこらへんに来るかは分かっているし、そういう積み重ねがゴールにつながった」と強調した。阿吽(あうん)の呼吸とも言うべき2人の信頼関係が広島皆実に初優勝をもたらした。

 準決勝・鹿島学園戦(1-0)も村田の右クロスから金島が決勝点を決めた。これが金島にとっての大会初ゴール。「金島を狙っていた。ずっと点を取ってなくて、決めさせてあげたかった」と村田は言う。あのときの1点が、決勝での金島の爆発の呼び水となったのは間違いない。

 村田自身、ケガとの戦いだった。昨年9月7日の高円宮杯全日本ユース選手権初戦となった流通経済大柏戦後、練習で右足首を骨折。選手権県大会にも間に合わず、復帰は全国大会の初戦、帝京戦だった。「本当は県大会の決勝で復帰したかったけど、出られなくて。落ち込んだりもした。でも、みんなが勝ってくれて、絶対に全国で恩返ししたいと思っていた」。準々決勝の四日市中央工戦(2-0)ではセットプレーから貴重な追加点も決めた。そして、準決勝、決勝では決勝点をアシスト。チームメイトへの“借り”は、十分すぎるほど返した。「1試合ごとに調子は上がっていた。サイドでは負ける気がしなかった」。右サイドを完全に制圧した村田の存在がなければ、広島皆実の優勝はあり得なかった。

<写真>広島皆実DF村田
(取材・文 西山紘平)

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