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[高校MOM85]実践学園MF原田航平(3年)_勝利もたらす仕事人

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.18 全国高校サッカー選手権東京B大会準々決勝 実践学園 1-0 都・国分寺 駒沢補助]

 怪我がなければ間違いなく先発」と深町公一監督も絶大な信頼を寄せるMF原田航平(3年)が、苦しむチームを救った。彼の魅力は両足から繰り出される正確無比なキックであり、特に右足の精度は抜群で、CKからFKとチームのセットプレーを託されている。
 しかし、武器である両足の足首を痛め、フルにプレーをするのが難しい状態にあり、先発から遠ざかっている。ワンボランチをこなせる原田の穴は大きく、チームはダブルボランチの4-4-2を敷くが、この試合では中盤の構成に苦しみ、ペースは握りながらも決定的な形を作れない苦しい展開が続いた。

 0-0で迎えた延長戦、満を持してピッチに送り込まれると、チームは原田をワンボランチに置いた4-1-4-1にシフトチェンジ。彼が中盤の底で巧みにボールを振り分けることで、攻撃に厚みが生まれると、延長後半8分、得意の右サイドに流れた原田は、ボールを受けた瞬間、正確な右足を一気に振り抜く。
 綺麗な放物線を描いたボールは、ゴール前に一斉に飛び込んだ味方の中で、一番高く飛んだFW浅見佳紀の頭に吸い込まれた。2回戦でも国士舘を粉砕する右足クロスを上げ、この試合では値千金の決勝弾を導いた。短い時間で決定的な仕事をこなす実践学園の仕事人は、この先も相手の脅威となるはずだ。

(取材・文 安藤隆人)

【特設】高校サッカー選手権2009

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