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[高校MOM91]山形中央FW山田和樹(2年)_2年生エース選手権へ導く

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.24 全国高校サッカー選手権山形県大会決勝 山形中央 4-3 羽黒 NDスタ]

 「シュートを外しすぎていたのでスタメンから外した」。木村雅善監督の非情の決断にも、山形中央のナンバー10、FW山田和樹(2年)は真摯に受け止め、精進を続けた。「外されたのは、自分に技術とかが足りないから。その分、自主練習とか、朝練とかをしっかりとやって、出番が来たら必ずゴールを取ってやろうと思っていた」。この成果が、選手権予選決勝という大舞台で花開いた。スタメンではなかったが、ベンチでじっと戦況を見つめ、そのときを待った。

 そして3-3で迎えた後半26分、そのときはやってきた。「スピードをいかしたドリブルで仕掛けることしか頭になかった」と語ったように、山田は投入されるやいなや、相手のDFラインのギャップに果敢に仕掛け、自慢のドリブルで再三決定機を作り出した。しかし、肝心のシュートの場面で判断が遅れたり、DFにブロックされたりと、悪癖が顔を出しつつあった。
 だが、山田の最大の見せ場は延長後半開始僅か40秒に訪れた。DF嵐田飛夢のロングパスを、抜群のトラップでコントロールして前を向くと、一気にドリブルでDFの間隙を破り、そのまま迷うことなく強烈なシュートをゴール右隅に突き刺した。くすぶっていた2年生エースの強烈な一撃が、チームを2年連続の選手権に導いた。「まだまだです。これからもっと頑張らないといけない」。このゴールはこれから浮上していくきっかけに過ぎない。彼の真価は選手権で問われる。

(取材・文 安藤隆人)
【特設】高校サッカー選手権2009

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