[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.30 全国高校サッカー選手権秋田県大会準決勝 西目 1-1(PK3-0) 秋田南]

　第1試合に降り続いた大雨の影響で、ピッチは非常にスリッピーだった。しかし、西目のGK東海林勝(2年)はどんな難しいボールでも、いとも簡単にキャッチし、相手にセカンドボールを許さなかった。

　「相手がピッチ状況を見て詰めてきているは分かっていたので、キャッチとはじく判断をしっかりすることを意識しました。でも、キャッチには自信があるので、キャッチすることを心がけました」と胸を張ったように、東海林のキャッチ技術はずば抜けていた。難しいプレーを飄々とやるため、あまり派手さは無いが、細かい技術では非常に光っていた。

　しかし、PK戦になると、一気に派手なGKへと変貌した。「助走角度で判断している。ドンピシャでした」と、秋田南の1人目と3人目のキックを、抜群の反応でセービングし、劣勢だったチームを見事に決勝に導いた。次なる相手は王者・秋田商。「自分がミスをすれば3年生の高校サッカーが終わってしまうので、絶対にミスをしないようにしたい」。3年生思いの2年生守護神が、決勝で大きな存在感を放つかもしれない。

(取材・文　安藤隆人)
【特設】高校サッカー選手権2009