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[日本クラブユース選手権(U-18)]柏U-18がG大阪ユースの3連覇阻む!

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[8.01 第32回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会準決勝 G大阪ユース 0-1 柏U-18 ニッパ球]
 
 日本クラブユース選手権(U-18)の準決勝第2試合は、大会3連覇を狙うガンバ大阪ユース(関西1)と初の決勝進出を目指す柏レイソルU-18(関東2)が対戦。柏U-18が1-0で勝ち、3日にFC東京U-18(関東1)と対戦する決勝(ニッパ球)へ駒を進めた。なお、決勝進出した柏U-18は高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権(9月開幕)の出場権を獲得した。

 G大阪ユースはU-16日本代表のエース・左MF宇佐美貴史(16)に昨年のU-17W杯日本代表のFW大塚翔平(18)、ボランチの田中裕人(18)を中心とする4-4-2の布陣、一方の柏U-18は今大会5得点で得点ランキング首位タイのFW工藤壮人(18)を1トップにU-19日本代表候補の酒井宏樹(18)を左SB、U-17日本代表のFW指宿洋史(17)を左MF、07年U-17日本代表の山崎正登(18)を右MFにそれぞれ配置する4-1-4-1の布陣でスタートした。
 注目の大型アタッカー・宇佐美やU-16日本代表MF大森晃太郎(16)ら突破力の高い「個」を基点にチャンスメイクするG大阪ユースに対し、柏U-18はMF武富孝介(17)、MF畑田真輝(17)、MF仙石廉主将(17)のトライアングルを基点に流れるようなパスワークで応戦。互いが攻撃力を見せ合い、試合は序盤からスピーディーな展開となった。
 G大阪ユースは3分、大森のポストプレーからFW原口拓人(16)が左足シュート。22分には大塚が右サイドから中央へ切れ込み、ボールを受けた宇佐美の右足シュートが相手ゴールを捉えた。さらに25分にも大塚のパスを左サイドで受けた宇佐美のコントロールシュートがゴールを襲う。ただ、試合は柏U-18のテンポの速い攻撃と2本のディフェンスラインが効果を発揮。また中盤の数的優位と、攻撃に偏重しているために守備に戻ることの少ない相手MF宇佐美のいない右サイドのスペースを徹底して突いた柏U-18が、徐々にG大阪ユースを押し込みだした。27分には右サイドの山崎からのラストパスを受けた指宿が強烈なシュートでゴールを脅かしたほか、ポゼッションでも相手を上回った。
 「互いがよさを出したいいゲーム」(柏U-18・吉田達磨監督)は両チーム無得点のまま後半へ突入。G大阪ユースが5分に宇佐美のループシュート、6分に大森の左足シュートとペースを握りかけたが、先制点を奪ったのは柏U-18だった。14分、仙石の左CKをニアサイドに飛び込んだ指宿が逆サイドへ流す。そこに飛び込んだ工藤が左足シュートをゴールへ突き刺し、先制した。「何回も同じ形で点を取ってきた。自分にとってはおいしいところですけど」と満面の笑みを見せた工藤のゴールで試合は動いた。
 G大阪ユースはすぐに反撃に転じたかったが、頼みの宇佐美がアプローチの積極性を増した相手DFに苦しみ決定的な役割をすることができない。全体的にプレーの正確性もやや欠いてしまい、チャンスにつなげることができない。それでも残り10分を切ってからは相手陣内へ押し込む時間を増やす。ただ、攻撃がやや単調となり相手DFに跳ね返される場面の連続。さらに41分の田中の決定的なヘディングシュート、そしてゴールを捉えた宇佐美の右足シュートがいずれも今大会好調の守護神・松下理貴(18)にブロックされ、万事休す。3連覇の夢は準決勝で費えた。松波正信監督は「最後アタッキングゾーンで工夫が足りなかった」と残念がった。一方、柏U-18の吉田監督は「うちは守りきれるチームではない。アタックでガンバと対抗したいと思っていた。アタックで優位に立ったことを評価したい」と攻めて主導権をつかみ、勝ち得た勝利を喜んでいた。

(取材・文 吉田太郎) 

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