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[全日本ユース(U-18)選手権]東海王者と東北王者の戦いはスコアレスドロー(青森山田高vs.名古屋U18)

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[9.7 高円宮杯第19回全日本ユース(U-18)選手権大会 第1節 青森山田高0-0 名古屋U18 駒場]

 東北プリンスリーグで1試合平均5.36得点の爆発力を武器に優勝した青森山田高校と東海プリンスリーグ王者・名古屋U18との試合は、両チーム90分間譲らず、0対0に終わる。

 ともに4-4-2を敷くチーム同士のゲームは、静かな立ち上がりで始まった。最初に客席が沸いたのは前半9分。青森山田高のFW見宝憂(けんぽう ゆう・17)→MF北嶋佑一(18)→MF柴崎岳(16)とダイレクトパスが繋がり、柴崎がシュート。しかしボールは枠外へ。その後も、「少ないタッチでボールを回して、人とボールが動いて短い時間でシュートまでいく」(見宝)サッカーを身上とする青森山田高が攻勢に出た。だが、名古屋の4バックの牙城を崩し切るには至らない。そして徐々にペースは名古屋へと傾く。
 それは、試合途中から名古屋が「ピッチが悪かったので、本来のポゼッションサッカーをやめて、ロングボールを多用した」(名古屋・朴才絃監督)からだ。名古屋はそれで相手DFに圧力をかけ、相手陣地に攻め入る。しかし、ラストパスの精度が悪く、決定機は訪れない。それに釣られるように青森山田高もパスが雑になり始め、見どころが少ないまま前半を終える。

 後半に入り、再び開始5分ぐらいまでは青森山田高のダイレクトパスが見られる。だが、ビッグッチャンスを先に演出したのは名古屋。52分、MF小幡元輝(16)のロングフィードを絶妙なトラップで受けたFWアルベス・デリキ・タケオ(18)が即座にボレーシュート。GKと1対1の場面だったが、ボールは上へ外れる。
 青森山田高も負けじと、56分にペナ内左45度の位置からFW高屋翔平(17)が強烈なシュートを放つも、相手GKに正面で止められる。さらに61分、北嶋が豪快なミドルで相手ゴールを強襲。しかし、名古屋GK岩田敦史(18)の間一髪のパンチングで弾かれてしまう。
 すると1分後に名古屋が反撃。左からのクロスをアルベスが頭で落とし、MF岸寛大(17)がダイレクトで合わせる。だが、これも枠を捉えられない。
 75分からはお互い、いいタテパスが入らなくなり、厚みのある攻撃が作れず膠着状態に。そしてこのまま終了すると思われたロスタイム。右サイドにいたアルベスのタテパスが入り、それを途中出場でFWに入った大西勇輝(16)が折り返す。アルベスがそのパスをペナ内で受けて再びGKと1対1に。ところが相手GKの素早い飛び出しに遭い、あと一歩でシュートを打てず。その直後、試合終了の笛がピッチに響いた。

 2度の絶好機をものにできなかった日系ブラジル人のアルベスは試合後、こう振り返る。
「(52分の)あのシュートを決められず、悔しいっす。でも、負けなかったことはよかった。うちは本来、ピッチを広く使って、パスを回してクサビを入れて点を取るサッカーをしているけど、今日はグランドが悪くてできなかった」
 青森山田高の主将で東北プリンス得点王の見宝は、「押される時間が長く精神的に疲れたけど、勝ち点1が取れてよかったです。ピッチがデコボコしてパスを通しづらく、思うようにいかなかった…」と話す。2人とも負けなかったことに安堵しながらも、ピッチ状態の悪さの影響について触れていた。
 お互い第2節から良好なピッチコンディションの下、本来の姿を見せてくれることを期待したい。
<写真>勝ち点3獲得へ激しくボールを奪い合う両チーム選手
(取材・文 小林智明)
 

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