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[大学選手権]夏の全国4強撃破!広島経済大が5発で初勝利

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[12.20 全日本大学サッカー選手権1回戦 中京大 0-5 広島経済大 夢の島]

 第57回全日本大学サッカー選手権が20日、東京・江東区の夢の島競技場などで開幕。1回戦4試合が行われた。東海地区王者で今年の総理大臣杯全日本大学トーナメント4強の中京大(東海1)対広島経済大(中国)は、広島経済大がFW小道薫(4年=広島観音高)の2得点の活躍などで5-0で快勝。4回目の出場で初勝利を飾った。

 00年度に日本一にも輝いている中京大は4-4-2システム。GKが辰巳正矩(4年=初芝橋本高)で、4バックは右から平山照晃(2年=福岡U-18)、加藤駿一(1年=清水商高)、全日本大学選抜のDF森本良(2年=名古屋U-18)、東京V入り内定の左SB那須川将大(4年=青森山田高)。中盤中央に後藤雄平(2年=名古屋U-18)と中田智久(1年=神戸ユース)が入り、右MFが熊澤圭祐(1年=中京大中京高)、左MFが福井悠太(2年=市立船橋高)。2トップは深澤暢明(2年=四日市中央工高)と09年ユニバ代表候補の齊藤和樹(2年=清水商高)が先発した。
 一方の広島経済大は鳥栖入りが内定している左MF長谷川博一(4年=広島観音高)が左足小指骨折のため不在。4-4-2の布陣のGKは相原剛主将(4年=広島観音高)で、4バックは右から岡田裕志(4年=松江商高)、脇本祐自(2年=高陽東高)、浅井辰文(4年=松江商高)、妹尾翔(4年=広陵高)。中盤中央が岸本直樹(4年=広島観音高)と炭廣翔(2年=高陽高)で右MFが藤井栄希(4年=広島皆実高)で、長谷川不在の左MFには綿地亮介(3年=岡山理大附高)が入った。2トップには山坂亮(3年=如水館高)と小道が構えた。

 試合は序盤、ボールを支配した中京大がエースストライカー・齊藤のドリブルシュートなどで広経大ゴールへ押し寄せる。だが9分、広経大・綿地の左クロスの処理を中京大DFがもたつき、こぼれ球がゴール前へ。素早く反応した広経大・小道が豪快に左足を振り抜くとボールはゴールへと突き刺さった。「1点入ったときに『いける』、と思った」と小道が振り返った通り、広経大が奪ったこの1点によって試合の流れは大きく傾いた。
 早く同点に追いつきたい気持ちが強かったのか、失うリスクの高いパスを選択する中京大に対し、広経大は岸本、炭廣の両ボランチや4バックが各局面で相手攻撃陣を封殺。中京大に決定的なチャンスを作らせない。すると21分だ。敵陣中央でFKを得た広経大は脇本が素早いリスタート。これでGKと1対1になった山坂が右足で冷静にゴールへと沈めて2-0とした。その後も速攻から抜群の個人技を持つ綿地が左サイドを再三えぐり、神出鬼没のアタッカー・藤井が何度もシュートシーンに絡んでいく。広経大の術中に“はまった”中京大の余裕は徐々に失われていった。

 「向こう(中京大)はメンバーに1、2年生が9人。こちらが4年生は多い(7人)。(やや冷静さを失った相手に対し)カウンターがよくはまった。予定通りのゲーム」と広経大・桑田隆幸監督。2点を追う立場となった中京大は那須川らSBまでも積極的に攻撃参加し、ゴールを目指した。福井と齊藤のワンツーや、前半44分の中田の決定的な右足シュートなどチャンスも作ったが、相手のプレッシャーの厳しさによってゴール前でパスミスやトラップミス、またシュートの正確性を欠くなど、かみ合わなかった。
 そして試合終盤、攻撃に出るしかなくなった中京大に対し、広経大のカウンター攻撃が再び炸裂。29分には脇本の前線へのフィードを中京大DFがクリアしきれず、小道が独走。落ち着いて右足でゴールを破ると、1分後には速攻から素早く左サイドへボールを展開し、途中出場の楠本健太(2年=山陽高)が右足で4点目を決めた。試合終了間際にも山坂が5点目を奪った広経大。優勝候補の一角から会心の5発&無失点で白星をもぎ取った。

<写真>前半9分、広島経済大FW小道(右)が先制の左足シュートを決める
(取材・文 吉田太郎)

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