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[大学選手権]高知大が関西王者破る!

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[12.21 全日本大学サッカー選手権1回戦 高知大 2-1 阪南大 平塚]

 21日、第57回全日本大学サッカー選手権1回戦4試合が行われ、8強が出そろった。平塚競技場の第2試合では今夏の総理大臣杯全日本大学トーナメント準優勝の阪南大(関西1)と同4強の高知大(四国)が激突。1回戦最注目の一戦は高知大が2-1で制し、2年連続の8強進出を果たした。

 4-4-2システムをとる高知大はエース・FW出井正太郎(4年=宇和島東高)のパートナーにこれまでスーパーサブ的な存在だったFW石川雄太(4年=川之江高)を起用。中盤は主将の米田徹(4年=国泰寺高)と酒井貴政(2年=作陽高)が中央でコンビを組み、右が香川大樹(2年=近大東広島高)、左には三浦功司(4年=北海高)。4バックは右から矢田翔太(2年=益田高)、塚本剛司(4年=加古川東高)、實藤友紀(2年=城南高)、中野圭(3年=松山工高)で、GKは1年生の片山裕登(鳴門高)が先発した。
 一方の阪南大は来季横浜FC加入が内定している西田剛(4年=鹿児島城西高)と全日本大学選抜の木原正和(3年=広島ユース)の2トップ。中盤は大学サッカー界屈指のテクニシャン・東浩史(3年=FCみやぎバルセロナユース)と小寺優輝(4年=青森山田高)を両ワイドに配置し、中央は井手口正昭(2年=東福岡高)と長瀬圭佑(3年=神戸ユース)のコンビ。浦和加入内定のDF野田紘史を左SBに置く4バックは右SBが金泰弘(2年=大阪朝鮮高)で、CBは吉川健太(4年=守山北高)と久野修平(4年=関大一高)、GKは竹重安希彦(3年=西京高)が務めた。

 高知大が関西1部リーグをわずか1敗(15勝6分)で制している阪南大を打ち破った。まずは前半17分、左サイドへ開いた石川からのラストパスを出井が得意の左足でねじ込み先制。さらに25分には左サイドをドリブルで破った出井の折り返しをファーサイドから走り込んだ香川が右足でたたき込む。四国リーグ得点王の出井の活躍で2点を先取した高知大は、35分に阪南大・東のスルーパスに走り込んだ西田のスライディングシュートで1点を返されたが、その後の長い55分間を耐え抜いた。
 阪南大は東、木原が個人技を活かしたドリブルからチャンスメイク。特に今年、浦和の練習参加も経験している注目のアタッカー・東は個人技から強烈なシュートを放ち、再三ゴールを襲った。だが、阪南大の主将・西田が「(焦って)攻撃が中に、中にと偏ってしまった。(武器である)左サイドを使えなかった」と悔しがったように、ボールを保持していながらも中央中心の単調な攻撃は高知大の守備網にかかり、次々とクリアされていった。U-17日本代表歴のある實藤や主将の米田らが懸命に相手を跳ね返す高知大の守備を最後まで破ることができず試合終了。「本当に負けたのかな、というくらいだった。情けない」と悔しがる西田の目の前で、耐えた高知大は喜びを爆発させた。
 高知大の野地照樹監督は「ボールをつながれて、つながれて、ハーフタイムに選手達は『しんどい』と言っていた。でも、『しんどい』、『走れん』では負けですよ、と選手に伝えた。追いつかれても勝つ可能性はあるんだよ、と言ったがよう勝ったと思う」と会心の笑み。PK戦の末に準決勝で散った総理大臣杯の雪辱に燃える高知大が悲願の決勝進出へまず第1の難関を乗り越えた。

 15年連続出場の四国の雄が勝利の雄叫びをあげた一方で、夏の総理大臣杯で優勝(大阪体育大)、準優勝(阪南大)チームを輩出した関西勢3チームは1回戦で全滅。冬の大学日本一を懸けた戦いは混戦の様相となっている。

<写真>1点のリードを守り切った高知大イレブンが応援団に勝利の報告
(取材・文 吉田太郎)

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