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[天皇杯]痛い勝利の代償、負傷交代の遠藤「大丈夫じゃない」

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[12.29 天皇杯準決勝 横浜FM0-1(延長)G大阪 国立]

 2大会ぶりの決勝進出で優勝に王手をかけたガンバ大阪に早くも暗雲が漂ってきた。クラブW杯からの中3日、中2日、中3日、中3日という連戦。1月1日の決勝までも中2日しかない。19日間で6試合をこなす過密日程がチームをむしばんでいる。「今は次(決勝)に向けて心配なだけ」。劇的な勝利を飾った試合後、西野朗監督はそう切り出した。「ロッカールームも野戦病院化している。(決勝は)相手どうこうより自分たちの整備の方が気になる」と険しい表情で話した。

 クラブW杯でMF佐々木勇人、MF二川孝広が負傷し、戦線離脱中。さらにこの試合ではMF遠藤保仁が自ら「×印」を出し、後半31分に負傷交代するアクシデントに襲われた。さらにMF橋本英郎も全身をつって交代。MF明神智和も痛みを我慢しながら120分間を戦い抜いた。

 橋本、明神は決勝にも出場できそうだが、難しい状況になってきたのが司令塔の遠藤だ。試合前から痛めていた右足首を接触プレーで悪化させ、自分からベンチに交代を申し出た。「自分のパフォーマンスを出せないなら代わった方がいい。痛みもちょっとずつ増していたし。自分がこのまま出るよりはフレッシュな選手が出た方がいいと思って、そこ(交代)は躊躇なかった」。そう交代の理由を説明した遠藤は、足首の状態について「大丈夫じゃないです」と即答した。

 西野監督は決勝での遠藤起用について「厳しいと思う。回復を望んでいる」と祈るように話し、遠藤も「時間は限られているし、できる限りのことをしたい」と言葉少なだった。あまりにも大きかった勝利の代償。決勝で遠藤がどれだけプレーできるかは分からないが、苦境に立たされたからこそ、チームが一丸となって戦うしかない。

<写真>向って左がG大阪MF遠藤(白)
(取材・文 西山紘平)

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