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[天皇杯]116分の失点、横浜FM元日決勝進めず

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[12.29 天皇杯準決勝 横浜FM0-1G大阪 国立]

 試合終了の笛とともに日本代表DF中澤佑二がひざに手をつき、MF山瀬功治とGK榎本哲也はピッチに座り込んだ。120分間の激闘に末、トリコロール軍団に待っていたのは「敗退」の二文字だった。
 シュート数は相手の14本を大きく上回る21本。前半からMF小宮山尊信やMF長谷川アーリアジャスールらが再三サイドを突破。PA内に何度もボールが入った。準々決勝で2点を挙げている得意のセットプレーからもチャンスをつくり、前半38分にはMF狩野健太の左CKから中澤が決定的な右足シュートを放った。だが、これが枠から外れるなど、得点することができない。
 「相手の運動量が落ちた」(木村監督)後半22分にMF清水範久とFW大島秀夫を同時投入し、同37分にはケガの影響で長期欠場していた山瀬功をピッチに送り出した。その後、山瀬功がドリブルで突っかけ、清水が右サイドからゴール前にパスを通すなど、畳み掛けることができそうな展開だったが、勝利への強い執念を見せるG大阪守備陣にギリギリのところで跳ね返される場面の連続。近そうに見えたゴールは、最後まで遠かった。
 迎えた延長前半12分に清水が2枚目の警告を受けて退場。押し込みながらも試合を決めることができなかった横浜FMは、数的不利となった14分後にカウンターから失点し、力尽きた。

 中澤は「10人になったとか、足を攣ったとか言い訳にはならない。元日にサッカーをやることが目標だった」と敗戦を悔しがった。他の選手たちも悔しさをにじませながらミックスゾーンを後にしていった。望んでいたものとは逆の結果に打ちひしがれているようだった。
 戦力外通告を受けているためにこの日が横浜FMでのラストゲームとなった大島は「トーナメント戦なので上に行けなかったこと、それが全て。(横浜FMには)いい経験をさせてもらって大きな財産をもらった」。最高の形でクラブを後にできない無念を悔しがりながらも、横浜FMへの感謝も忘れなかった。

(取材・文 吉田太郎)

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