beacon

闘莉王が再三の攻撃参加で貢献も、岡田監督の要求とズレ・・・

このエントリーをはてなブックマークに追加

[2.11 東アジア選手権 日本3-0香港 国立]
 DF田中マルクス闘莉王が積極果敢な攻撃参加を見せた。前半途中からまるで、ふがいない攻撃陣にゲキを飛ばすかのように攻め上がった。ボランチ? 攻撃的MF? と思わせるほど攻め上がり、チャンスメークまでこなした。
 「相手が攻めてこなかったからね。きょうは中から攻めているときに、自分が脇(外)から出るとか、形を試した。いろんなバリエーションを試そうと、みんなと話しながらやっていた」
 闘将が攻撃参加の意図を説明した。2日のベネズエラ戦、6日の中国戦と、約5年ぶりの2試合連続無得点。フラストレーションは溜まっていた。攻撃参加だけでなく、後半20分にはMF遠藤の左CKからヘディングでチーム2点目を決めた。いつもように高さを生かして勝利に貢献した。
 しかし、岡田監督は手放しでは評価しなかった。「(攻撃参加が得意のブラジル代表DF)ルシオのようなプレーをしてほしいといっている。ただ、ルシオは上がっても帰るときは全力で戻ってくる。そのプレーを参考にしてほしいと言っている。きょうは行きすぎな面があった」と注文を付けた。
 たしかに、相手が格下の香港だからこそ、こういう攻撃参加ができたといえる。オランダ、デンマーク、カメルーンとW杯の本番を想定したら、そんなプレーはあまりできないといえるだろう。それだけに、闘莉王の再三の攻撃参加は“良いような悪いような”と言わざるおえない。
 闘莉王からすると、「チャンスの半分でも決めていたら10点くらい取れていた」と話した通り、決定力不足のFW陣にカツを入れたり、援護射撃をしたかった部分があるだろう。ただ、指揮官との考え方とは少しずれている。
 事実、闘莉王はルシオを参考にしろという声に、「ぼくは自分の形をさらに磨いていくだけ」と話した。小さなようで、この認識の違いがW杯で大きな間違いにつながらなければいいが・・・。不安を感じずにはいられない。 
<写真>日本代表DF闘莉王
(取材・文 近藤安弘)

▼関連リンク
東アジア選手権特設ページ

TOP