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日本vs韓国 試合後の選手コメント

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[5.24 キリンチャレンジ杯 日本0-2韓国 埼玉]

 W杯南アフリカ大会の壮行試合が24日、埼玉スタジアムで行われ、日本代表は韓国代表と対戦し、0-2で敗れた。韓国は前半6分、MFパク・チソン(マンチェスター・U)のゴールで先制すると、後半ロスタイムにFWパク・ジュヨン(モナコ)がPKでダメを押した。
以下、試合後の選手コメント

●FW岡崎慎司(清水)
「自分は裏を狙っていたけど、もう少し出してほしかった。無理かなというところでも、出してもらえれば攻撃につながることもある。自分ももっとタメをつくれればよかったけど。足元で受けることも必要だと思った。今日は(本田)圭佑との関係もうまく出せなかった。圭佑が前に行って、自分が動き回る形を取ってもよかった。今後、チームとして突き詰めていかないといけない」

●FW森本貴幸(カターニア)
「思い切り打ってやろうと思った。本番でもこういう(1点を追うような)ときに使われることになると思うので、今日はレベルの高い相手に試合ができて、結果は負けたけど、いいシミュレーションになったと思う。たくさんのお客さんが来てくれて、負けてしまったけど、声援をくれた。まだ2試合あるし、いい準備をして、怪我のないようにして本番を迎えたい」

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「何もできなかった。チャンスがつくれなかったけど、その理由もまだ明確には整理し切れていない。みんなにもファンにも申し訳ない。個人としてのクオリティーの差を感じた。ひとつひとつは微妙だけど、差があった。確実に個人で負けていた。課題はたくさんあるわけではなく、いかに点を取るか、失点しないか。シンプルなものが2、3出た。このままではいけないという気持ちが一層強くなった。1分1秒が大切。これくらいの力の差があるのは分かっていて、僕は優勝を目指すと言っている。カメルーン戦は勝ちます」

●MF中村俊輔(横浜FM)
「今まで積み上げてきたものがちょっとずつ消えてきている。何人か違う選手が出ていたこともあって合わなかったり、サイドハーフとサイドバックが連動して上がるという今までのスタイルがまったくなくなってしまった。ハセ(長谷部)から俺がダイレクトで当ててというのが1回あったけど、前はああいうのがもっとあった。監督が言ったことがすべてじゃなくて、臨機応変にやらないといけない。引いた瞬間に長友が上がるとか、そういうところで怖がっていた。オランダのときもそうだったけど、回せることが自分たちの強み。サイドの連動、FWとの連動とか。それにプラスしてカウンターに気をつけることが必要だと思うけど、今日はサイドバックが怖がっていて、結局、4枚で回しているだけだった。あとは1トップのところで、左で持っても(ゴール前が)岡ちゃん(岡崎)ひとりだった。2トップだったら1人が引いてという感じで、タマ(玉田)とかすごい引いてきて組み立てに参加するというのがあったけど、それができなくなっている。だから出しどころがない。遅攻になってもいいのに、今日の感じだと遅攻じゃ崩せない」
―中盤で回す位置が低かったように見えたが?
「それはいい。向こうだって低いところで回していた。2トップがサイドバックの裏に出たりとか、そういう動きがない。岡ちゃんが走っていたけど、ひとりだから向こうも対応しやすい。1トップの良さが出ていなかった。スピードと技術、すべて向こうが上回っていた。だけど、これからもそういう相手とやるんだから、今までやっていたことをやらないと」
―本田がトップ下でやる試合が少なく、時間が足りない?
「(本田)個人としてはあそこ(トップ下)が一番やりやすいんだろうけど、ボールの回りは前より消えている。見ないでもボール回しができる感じがないし、消え始めている。ただ、それは何を取るかだから。(本田の)振り向きざまのシュートが入っていれば、それはそれで良かったということになる。それだけじゃなく、全体的にボールの回し方の良さが消え始めている」
―サイドバックのサポートがないと、サイドハーフは厳しいが?
「その中でもやらないといけない。今日の出来は最悪だから。ボールのタッチとか、動きがスムーズじゃない。足首を痛めて、ずっと痛いままやっていたから。今も(テーピングを)巻いているけど、なんかステップが踏みづらいというか、止まってしまう。そういうことを言ってもしょうがないんだけど、なんか鈍い。DVDとか見ても、前と明らかに違う」

●MF大久保嘉人(神戸)
―ケガの状況は?
「右ひざの打撲だけど、大丈夫」
―攻撃でチャンスが少なかったが?
「前にもっと出してほしい。1回ボランチを経由するから、相手はもうDFが整っている。手数をかけすぎ。今日はDFが付いていても、取られる気がしなかったから、とりあえず俺に出せと試合中も言っていたけど、狭い方に行って…。みんな大事に行っているのかもしれないけど、それじゃ世界では勝てない。引いて守られたら日本はそう点を取れるチームじゃない。武器はスピードとカウンター。自分としてはスピードが武器だと思っている」

●MF遠藤保仁(G大阪)
「もう少しワイドを使えればよかった。サイドに起点をつくって、数的優位をつくって。あまり離れず、いい距離感を保つことが大事」
―韓国は球際が強かった?
「普通だった。スライディングも多かったし、ファウルも多かったけど、W杯に行けばこんなもの。あれ以上の身体能力もあると思う。ある程度激しく行ってもイエローカードは出ない。今日の試合もJリーグだったら退場者が3人ぐらい出ていたと思う。基準が違うので、強引に行ってもそんなにカードは出ない」
―攻撃でいい形をつくれなかったが?
「ボールを持っていない選手の動きが大事。ひとりひとりの距離が遠くて、出せるところで出せなかった。相手を疲れさせるようなパス回しが必要」
―試合後に本田と話したそうだが?
「(本田)圭佑の話は忘れた。ピッチ上で感じたことをお互い意見して。ピッチ上の感覚が大事。しっかり反省するところはして、次につなげるだけ。気持ち新たに行く」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
「今日は本当に見に来てくれたサポーター、応援してくれた日本の皆さんに申し訳ない気持ち」
―先制点の場面は?
「自分が最初に体を入れるところで負けたし、シュートのところでも寄せ切れなかった。ああいうところで世界のチームは間違いなく入れてくる。個人的に悔いが残る。早い時間に入れられると、苦しくなる。W杯でも先に取られたら苦しい」
―攻撃でもチャンスをつくれなかったが?
「なかなかボールのおさまりどころがなくて、相手にプレッシャーをかけられた。うちがいいときというのは、高い位置でボールを奪えたとき。マイボールからの攻撃がうまくいかなかった。正直、全然ボールをもらう動きがなかったし、運動量自体少なかった。連係も見られなかった」
―俊輔か本田に当ててというのが攻撃の形だと思うが?
「当てるまでのところで、ボールを奪ってからテンポダウンすることが多かった。ボールを奪ったら早く行かないと。スピードで行ける選手がまだまだ必要かなと思った」

●MF中村憲剛(川崎F)
「0-1で負けていたし、とにかく得点に絡めるようにプレーした。守備もしながら攻撃というイメージ」
―トップ下だったが?
「モリ(森本)の1トップを孤立させないように意識した。あとは追い越したり、サイドに流れたり。ゴールに向かう動きをしたかった。向こうもロングボールを多用していたし、中盤に入ったときにどれだけボールを大事にして、前に運ぶかが大事。本大会でも、向こうがしっかりDFの組織をつくっているところに自分が入っていくことはあり得る。動いてボールをはたいて。とにかく動かないと。みんながいけないところにスライディングしたり、そういうのが大事」
―0-2という結果は?
「良くない結果だと思うし、でも引きずってもしょうがない。カメルーン戦まで2試合あるし、とにかく修正して。みんなで話もしているし、話し合いをもとピッチで表現して。同じイメージを持てば、チャンスもつくれると思う」

●DF中澤佑二(横浜FM)
―最終ラインのメンバーが変わったが?
「特に違和感はなかった。混乱した場面もなかったし、阿部ちゃんの良さも理解している。押し込まれている中でも大きな破たんはなかった」
―内容も悪かった。
「ボールがおさまらないので、自陣ではつなげるけど、相手陣内でつぶされるし、セカンドボールも拾えなかった。守備のところでセカンドボールを拾って早い攻撃ができればチャンスになる。セカンドボールを拾ってからの早い攻撃が日本の良さ。きれいにつなぐだけがサッカーじゃない。相手陣地に行くまで時間がかかった」
―岡田監督が会長に進退伺いをしたそうだが?
「ノーコメント。僕が決めることじゃない。僕らは僕らで結果を出さないと、スタメンで使われない。引きずらないこと。とにかくこれから」
―今後、つめていく部分は?
「球際。そこで前にこぼすか、後ろにこぼすかで変わる。韓国は走っていた。疲れたら…とか、そんなこと言っていたら話にならない。勝つためには疲れないと」

●DF今野泰幸(F東京)
「先制点は気を付けなきゃいけない時間帯だったし、もっと厳しくいかないと。悔やまれるプレー。攻撃ではボールを取ったときに早く攻めないと、シュートの形まで持っていけない。2失点してしまっているし、やっぱりゼロで抑えないと。本当に悔しい」
―サイドで起点をつくれなかった?
「守備的に入ってしまったし、前半はサイドを使って上がれたけど、そこから崩しができなかった。クロスを上げても真ん中で弾かれたし、最後の精度が低かった」
―課題は?
「一瞬の隙も与えちゃいけない。ちょっとポジショニングでやられる。ひとりひとりが早くポジショニングを修正して、相手に簡単にやらせないことが大事」

●GK楢崎正剛(名古屋)
「あまり悪いことばかり考えてもよくない。反省は必要だけど、こういう試合でもいいところを見て行かないと。ここからが大事だと思う。失点は時間帯も悪かった。どこの時間帯が体を張って防がなきゃいけないのか。そこをもっと意識しないといけない。2点目は僕がステイして、相手のシミュレーションを誘うプレーができればよかった。そこは修正できる。1点目はみんながもうちょっと気を付けないといけない」
―DFラインが変わっていたが?
「あんまり影響はなかった。何かおかしかったというわけでもない。先制点をやられると、国際Aマッチでは難しい」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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