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スナイデルのシュートに脱帽、川島「30cm手前から急に変化した」

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[6.19 W杯グループリーグE組 日本0-1オランダ ダーバンスタジアム]

 日本の新守護神も呆然とするしかなかった。後半8分、唯一の失点が決勝点となったオランダ戦。GK川島永嗣はMFウェズレイ・スナイデルのシュートを悔しそうに振り返った。

 ファン・ブロンクホルストの左クロスを弾いた田中マルクス闘莉王のクリアが弱くなり、こぼれ球を拾ったファン・ペルシーが後方のスナイデルに落とす。フリーの体勢から右足を振り抜いたシュートは驚くべき変化をしていた。

 「あそこに来るイメージはあったし、30cm手前まではボールも見えていた。そこから急にゴール側(左側)に変化して、自分では見えなくなった。30cm手前までは見えていて、外側(右側)にはじけると思っていたんだけど…」

 シュートに対し、川島はほぼ正面でパンチングしようと構えていた。ところが、ボールは目の前で急激に変化。川島の左手を弾き、ゴールネットに突き刺さった。

 ブレ球を得意とするスナイデルならではのシュートでもあったが、W杯公式球「ジャブラニ」の影響も否定できない。川島は「あれだけインパクトのあるシュートで不規則に変化するというのは難しい。普通のボールだったらあんな変化はしないと思うけど、今のボールに対応しないといけないわけだから」と唇をかんだ。

 失点のシーンは、スナイデルのシュートを褒めるべきだろう。それ以上に決定的なピンチを何度も防いだ好セーブの方が価値がある。後半40分、エリアのスルーパスに抜け出したアフェライのシュートをスーパーセーブで弾くと、同43分にもフンテラールからのパスを受けたアフェライとの1対1の場面で体を張って防いだ。

 「リーグ戦なんで、得失点差はあるし、最後に失点しなかったのはよかったけど、GKとしては1本でも決められれば悔しいし、先制点を取られて、あのあと難しくなった。そういうところでも防げるように、最後は自分が防げるようにしないといけない」。最少失点での敗戦なら、許容範囲ではある。それでも、日本のゴールを任された守護神として、0-1という結果に満足するわけにはいかなかった。

<写真>好守をみせた川島

(取材・文 西山紘平)

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