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“DFW闘莉王”がオランダ相手に存在感

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Text alert@南ア・ダーバン

 1点を追う後半43分だった。岡田武史監督が、右手を大きく、強く振り上げた。

 「上がれ!」

 指揮官の合図を受けた田中マルクス闘莉王が一目散に前線へ駆けあがる。カメルーン戦で封印していた攻撃参加が許された瞬間、背番号4は水を得た魚のように前線で躍動した。

 45分には闘莉王が落としたパスをペナルティーエリア内の岡崎が左足でシュート。惜しくも枠をとらえなかったが、この日一番の決定的場面だった。

 「上がってからはそんなに時間がなかったけど、上がって行くと相手が引いてくれたので、それから向こうのチャンスがあまりなかったと思う」。本人が言うとおり、まさに効果的と言える攻めだった。

 攻撃でも目立ちはしたが、むしろこの日は守備でさらに評価を上げた。ロングボールもクロスも、ほぼ一人で跳ね返した。だが、後半8分の場面。左サイドからのクロスのクリアが一回だけ短くなったのを拾われ、最後はスナイデルに決められた。

 「あそこであんなシュートをダイレクトで打てるなんて、技術の差は感じました。でも、下を向くのではなく、最後の最後に自分たちの力を信じて突破していきたい」

 24日のデンマークとの決戦。闘莉王の活躍が日本を決勝トーナメント進出に導くはずだ。

<写真>闘莉王は今大会初めて攻撃参加。次はゴールを見たい。

(取材・文 矢内由美子)

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