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日本vsオランダ 試合後の岡田監督会見要旨

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[6.19 W杯グループリーグE組 日本0-1オランダ ダーバンスタジアム]

 日本代表はグループリーグ第2戦でオランダ代表と対戦。後半10分、MFウェズレイ・スナイデルのミドルシュートで失点し、0-1で敗れた。日本は24日の最終戦でデンマーク代表と対戦する。
以下、試合後の岡田監督会見要旨

岡田武史監督
「オランダという強い相手からなんとか勝ち点を取りたいと選手は全力を尽くしてくれた。残念ながら及ばず、たくさんの応援してくれたサポーターには申し訳ないが、下を向いている時間はない。次のデンマーク戦へ、まず疲れを取って、最高の試合ができる状態に持っていきたい」

―3人の選手交代をしてから中盤でボールが回るようになったが?
「ともかくいろんな形で得点は生まれると思うし、別に中盤でパスをつないで崩すことだけにこだわってはいない。縦に早い攻撃ではなかなか得点にならない。強烈なセンターFWはいないし、取ってからの早い攻撃とセットプレーが重要になる。中盤でつないで流動的に崩すというのもあるが、その場合は相手に組織をつくる時間を与えるので、かなり厳しいプレッシャーを受けることになる」

―失点してからサッカーが変わったが?
「特に前半、守りに徹したわけではない。オランダは日本に大勝しようとしてくるだろうし、点が入らなければ焦れてくる。ただ、守るだけではもたないし、ボールを取ったら勇気を持って前に行こうと話していた。後半20分、25分過ぎに勝負をかけようと思っていたら失点した。選手は当然、点を取りたいと前がかりになったが、打ち合いになるとやはりこちらのミスが目立つのは致し方ない。ダブルボランチにして、より前がかりになるというのは練習でもやっていた。試合運びは予定通りだったが、残念ながら結果が付いてこなかった」

―後半立ち上がりに押し込まれたが?
「後半、特に変えたわけではない。キックオフの最初のパスがミスになってカウンターを受けて。悪い流れで入ってしまったのがひとつの要因だと思う」

―ハーフタイムの指示は?
「守備に関しては今のままでいいが、ちょっと全体のバランスを指示した。攻撃ではマイボールになったらもう少し落ち着いて、2タッチでも大丈夫だと。ただ、パスやドリブルでひとりかわしてホッとしていると、もうひとつ来る。そこでもうひとつをかわせればフリーになるが、今までの感覚でひとつかわすと、ちょっとホッとするところがあったので注意するように言った」

―世界を驚かすサッカーはできたか?
「驚かすかどうか、今の段階で言ってもしょうがない。W杯が終わってから判断すること」

―デンマーク戦に向けては?
「選手もちょっとショックを受けているかもしれないが、下を向いている時間はない。ほとんど修正はない。コンディション、メンタルを回復して、最高のサッカーができるように持っていくだけ。デンマークの戦い方に対して自分たちの戦い方を修正するかはこれから考える」

―(質問は不明)
「我々にはスピードのあるFWがいない。ただ、我々はチームとして点を取る。ひとりの強烈なセンターFWに頼って点を取ろうとははなから思っていない。セットプレー、奪ってからの早い攻撃で点を取れればと思っている」

―今野を起用する考えもあったと思うが、初戦と同じメンバーにしたのは? また非公開練習の内容が漏れていることについては?
「今野の起用について周りで言われていたようだが、ひとつのオプションとしてスナイデルをマンマークすると。そういうテストをしただけ。阿部の警告のことは考えたが、そういうことは他の選手にも起こり得ること。先にそういうことを考えて対応するより、今のチームでいく方がいいと判断した。非公開練習の内容が漏れているのは残念。試合前に聞いたので選手には話していないが、“もう少しチームのためにということを考えてほしい。周りは決してチームのためにということは考えていない”ということを伝えたい」

―闘莉王がパワープレーで上がったのは? またデンマーク戦は選手の疲労を考慮しメンバーを入れ替えるのか?
「闘莉王はベンチからの指示で上げた。3戦目については、その時点で疲労や相手のことを考えたベストメンバーで臨む。疲労は考えるが、今からメンバーを変えるとかはまったく考えていない」

―世界との1点の差についてどう思うか? その差はなんだったのか?
「1点の差は日本がなかなか乗り越えられないひとつの壁だと思っている。差がなんだったのかは、日本のチーム全体の差だと思う。これが劣っていたからというものではない。ボール際であったり、ポゼッション率であったり、すべてのことを含んでいると思う」

―俊輔、岡崎、玉田を途中から起用した狙いは?
「俊輔については、松井がかなり走っていて、90分持たないというのもあった。それとともに前線でひとつタメがほしかったし、なんといってもセットプレーのキッカーとしてほしかった。大久保は悪くなかったが、ああいう展開で流れを変えたい、刺激がほしいというのがあった。岡崎は左に入ってから、俊輔からボールを受けるという2人のいい関係性があった。玉田は練習でも好調で、DFと向かい合ってから勝負できる数少ない選手。局面の打開として期待して出した」

―失点のシーンのGKの対応については?
「スナイデルのシュートがよかった。オランダ相手に無失点でいけるとは思ってなかった。点が取れなかったことが大きな敗因だと思っている」

(取材・文 西山紘平)

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