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パワープレーも跳ね返した、闘莉王は「南米はやりにくい」と次を見据える

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[6.24 W杯グループリーグE組 日本3-1デンマーク ロイヤル・バフォケング]

 強烈なパワープレーにも屈しなかった。前半30分までに2点を失い、グループリーグ突破には3点が必要になったデンマーク。後半11分には長身のFWラーセンを投入し、FWベントナーとの194cmコンビのツインタワーめがけてロングボールを放り込むパワープレーを仕掛けてきた。

 それでもDF田中マルクス闘莉王、DF中澤佑二のセンターバックコンビが体を張り、粘り強く跳ね返し続けた。当然、競り負ける場面もあった。しかし、そこはボランチ、サイドバックがしっかりとカバーし、穴を未然に防ぐ。チームとしての守備組織は完璧だった。

 「競るときは必ず勝つつもりで競る。負けても後ろがカバーに入ってくれる。安心して競れるのが非常によかったと思う」と闘莉王は言う。「9番(トマソン)が俺らは怖かった。阿部ちゃんが9番の動きを見て、きちっと抑えてくれた。(ボランチには)いろんなことに対応できる3人がいるし、最後まで失点しないで守るんだという意識があった」と力説した。

 29日の決勝トーナメント1回戦ではパラグアイと対戦する。闘莉王は「南米は避けたかった。やりにくい。南米は残っているチームも多いし、強いと思う」と警戒し、早くも次の決戦に視線を移していた。

 確かに今大会の南米勢は好調だ。アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの3チームはグループ首位で決勝トーナメント進出を決め、ブラジルも2連勝で突破を決めた。残るチリも最終戦を残して2連勝で首位に立っている。ここまでの5チームの成績は10勝3分の無敗。闘莉王が警戒するのも無理はない。

 「一発勝負に懸ける南米のうまさがあると思う」。だが、そんなときだからこそ、ブラジル出身の闘莉王の力がモノを言うはずだ。「とりあえずひとつの目標は達成できたけど、僕らに失うものは何もない。僕らはチャレンジャー。僕らはどこよりも下手くそなんだと。そういうやり方でやるしかない」。好調の南米勢を撃破し、史上初の8強へ。日本代表の挑戦はまだ終わらない。

<写真>伸長さをものともせずに競り合いに勝った闘莉王

(取材・文 西山紘平)

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