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日本vsデンマーク 試合後の選手コメント

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[6.24 W杯グループリーグE組 日本3-1デンマーク ロイヤル・バフォケング]

 日本は24日、グループリーグ最終戦でデンマークと対戦。引き分け以上でグループリーグ突破となる一戦は、前半17分にMF本田圭佑が直接FKを叩き込み、先制点を奪うと、同30分にも今度はMF遠藤保仁がFKを直接決めた。後半36分に1点を返されたが、同42分には途中出場のFW岡崎慎司がダメ押しゴール。3-1の快勝で2大会ぶり、自国開催以外では初となる決勝トーナメント進出を決めた。
以下、試合後の選手コメント

●MF本田圭佑(CSKAモスクワ)
「うれしいけど、思っていた以上に喜べないのが自分でも不思議。でも、日本にとって大きな1勝であるのは間違いないし、そこは素直に喜びたい」
―2点目のFK時の遠藤とのやりとりは?
「蹴っていいかヤットさん(遠藤)に確認したら、ヤットさんも蹴りたいということだった。僕が1点取ってなかったらケンカになっていたかもしれません」
―喜べない理由は?
「試合前は今日はすごい大事な試合だと認識していたし、勝てたらうれしいだろうなと思っていた。なぜ喜べないのか。まだ上には上がいる。そこから来るんじゃないかな。まだいくつも上がある。ひとつひとつ上のステップに挑戦していきたい。それができるチームに徐々になりつつある」
―3点目は岡崎に決めさせた?
「そういうのはない。ただ、試合前に“俺も取るからお前も途中から出てきて取れよ”と話していたし、結果的に2人とも取れてよかったと思った。ただ、マイナス面で言うと、あそこで(自分の)2点目を取れないのが、俺がストライカーになれない理由だと思う」
―2-0になったあとの試合運びは?
「自分の役割がなんなのか考えたとき、点を取ること、前線でチームのためにボールキープすること。シンプルな役割というのは分かっていた。それを徹底してやることができて、結果も残すことができてよかった」
―引き分けもよかった試合で積極的に勝ちに行った。
「監督の指示がすべて。試合前にしきりに“守るんじゃない、攻めに行かないと絶対に勝てないぞ”と、そういう風に選手の気持ちを入れてくれたことが功を奏して素晴らしい結果につながったと思う」
―淡々としているが?
「思った以上に喜べない。(試合後)みんながジャンプしているところに入るタイミングをつくれなかった。喜べないのは、上があるからでしょう。しっかり準備して、どれだけ疲れを戻せるか。それに尽きる」
―開幕前は優勝を目指すと言っていたが?
「どうですかね。それは常に自分との格闘。弱い自分は行けないと思っている。弱い自分がどんどん大きくなる。だから僕は自分のメンタルをコントロールしている。それができれば、パラグアイにも素晴らしいプレーができると思う」
―2点目のFKは遠藤に譲った?
「試合が終わって、味方は全員、俺が蹴らないと分かっていた。相手も俺を警戒していたから」
―3点目はシュートを打つかと思った。
「あれを決めようとしないのはメンタリティーが未熟だから。だからストライカーになれない」
―動きがキレていた。
「デンマークをリスペクトしているけど、オランダ相手ならここまでうまくいってなかった。思っていた以上に競り勝てた。190cmぐらいある相手がいっぱいいたのに、思ったより身体能力が高くなかった。カメルーン戦と今日で、FWらしいところが出てきたかもしれない。自分の前に人がいない景色にも慣れてきた。今までは違和感があったけど、前に俺しかいないからターンするときは強気に行くとか、思い切り行くしかない。トップ下だとワンツーとかいろいろできるけど。次の強い相手でどうなるか、それはまだ未知数」

●FW岡崎慎司(清水)
―最後の3点目を決めた。
「よかったです。うれしいし、決める瞬間は、こんなにも緊張するものなのかと。トラップしてシュートを打つとき、本当に緊張した。これで自分のアグレッシブなところが出てくると思う。前に進むためにもよかった」
―ピッチに入ったときは?
「いつもと変わらない。俺はサイドに張るというより、(本田)圭佑の近くにいてこぼれ球を狙う。それは果たせたと思うし、それがゴールにもつながった。あんな形のゴールだけど、何にせよ1点取ったことは前に進める。自信になるゴールだと思うし、本当によかった」
―本田は1得点1アシスト。
「今日はキレキレでしたね。自分は外から見ていたけど、海外でやってる違いがある」
―本田がシュートを打つかと思った?
「打つと思った。俺やからパスしてくれたと思う」
―これで勢いに乗れる?
「点を取れて、ほんとによかった。でも、それだけじゃ満足できない自分もいます」

●MF大久保嘉人(神戸)
「最後は久々に足をつった。動けなくなった。今日はとりあえずよかった。チームとして戦えている。それは素晴らしい」
―入り方は悪かった?
「向こうも勢いがあって難しいかなと思ったけど、落ち着いてできた。あんまりつかめてなくて、間、間に入られた。システムを戻してからは落ち着いたできた。そっちの方がはっきりするので、やりやすいと言えばやりやすい。俺も左サイドに入って、対面の選手もあんまり来なかったから、こっちが主導権を握ってやれた」
―ブロックをつくる守備が徹底されてきた。
「サイドの選手はつらいけどね。下がらないといけないし、前にもいかないといけない。体力的に頑張らないといけない。でも点を取られなければいいし、DFもしないといけないし、挟み込まないといけないけど、でもそれはそれでいい。そこでリズムがつかめれば」

●MF松井大輔(グルノーブル)
―グループリーグ突破だが?
「ひとつの目標を達成できたけど、実感はない。次はパラグアイ。そのためにやっていきたい。本当にここはW杯なんだろうかとずっと思っている。思い描いていたW杯はもっとすごいのかなと。なんか淡々と勝っている」
―だからいつも通りのプレーができる?
「そうなのかは分からないけど。今日の自分のプレーには反省が多い。カウンターでどう攻めるのかを詰めていきたい」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―4-2-3-1から4-3-2-1に途中で変えて役割は変わった?
「特に大きく変わることはないが、9番(トマソン)が裏に結構出ていたので、それをだれが見るのかということだった。監督に一言声をかけたし、3枚にした方が安定するということで前半の途中で変更した」
―監督に何と言った?
「ちょっとやりづらいと監督に言った。基本的に9番をしっかり見た方が後ろが安定するのかなと」
―グループリーグ突破だが?
「予選突破したことはうれしいが、これから先が勝負。ひとつずつやっていきたい。勝ってさらに上に行きたい」
―FKを蹴るときに考えていたことは?
「(本田)圭祐を警戒していたと思うし、分析でそんなに動かないGKということだった。壁も甘かったので、ある程度スピードがあって壁さえ越えれば入ると思っていた」
―ジャブラニではなかなかFKが決まっていなかったが?
「今日は普通に蹴っただけ。昨日の練習で遊び半分でやっていたときは、ちょっと伸びるという感触があった。極力抑えて蹴ろうかなと思っていたし、そんなに曲がらないので、外れてもいいのでギリギリを狙おうと思っていた。良いコースに飛んだ」
―FKのときに本田も蹴りたいと言っていたみたいだが?
「圭祐は1本目決めていたので。まだ直接蹴ってなかったので1本蹴りたかった。圭祐もすんなり譲ってくれたので、お互い決められてよかった」
―FKは大きな武器?
「危険なエリアでファウルは犯せないと相手の頭に入れておけば、向こうも激しく来れないと思うし、相手が脅威に感じてくれれば、そういう意味でも武器になると思う」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
―最初の円陣が長かったが?
「みんなそれぞれ言いたいことがあったようで言っていたら長くなりました」
―4-2-3-1でスタートした意図は?
「前の選手を見るというか、相手に合わせたというところが大きかった、でも、ボランチの位置からDFラインの前にパスを通されていたので、あそこは抑えないといけないと思ってやっていた。抑えるにはやっぱり3ボランチでやった方が止められると。修正してからは抑えられたと思う」
―得点は?
「得点は3点ともうれしかったですよ、やっぱり。3点目は岡崎が決めて、あいつも予選から試合に出ていて、今回はなかなか試合に出られない中で、ああやって控えの選手が決めてくれると、チームも盛り上がるし、良かった」
―自身の惜しいシュートもあった。
「あれは正直決めたかったけど、立ち足にボールが当たってしまって、うまくいかなかった。でも今日はスペースがあったので攻撃できるかなと思っていた。今日のゲームは僕たちも攻めたし、チャンスをたくさんつくったし、本当にいいゲームができた」
―あの韓国戦から1ヵ月。
「なかなかうまくいかないこともあったけど、自分たちを信じていた。試行錯誤したこともあったけど、今は決勝トーナメントに行けるということですごく充実しているし、本当にチームとしてまとまっている。試合に出る選手が頑張るのは当たり前だけど、出ない選手も素晴らしいサポートをしてくれている。チームワークが本当に強みです」
―高地順化は?
「高地順化は完璧だと思う。僕らは普通のところでやっているのと変わらないし、低酸素を吸ったりしているし、そういうことをやって完璧に近いぐらい準備ができていると思う」

●MF阿部勇樹(浦和)
―試合中にシステム変更したが?
「最初はダブルボランチでスタートして、途中から3枚にした。トマソンがロングボールに対して斜めに走ったので、前半の途中からと、後半はほぼ自分が付いた方がハッキリするだろうということで、そうしました」
―先制は理想的だった。
「先に点を取ってくれればと思っていたので、決めてくれて楽になった」
―歴史をつくった?
「歴史という感覚はない。けど、そのためにずっとやってきたし、このチームでまたもう1試合できるので、それをうれしく思います」
―チームが試合ごとに成長している?
「ゲームの中でシステムを変えたり、やっていくごとにそれぞれ課題が出る。例えば、いつもだったらマンマークは付かないけど、今日はある程度トマソンに付くとか。その中で、自分たちで話し合いながらやれたというのもそうだし、ベンチからの指示もそうだし、みんなでゲームをつくることができました。勝っていけばそれだけ長くこのチームでやれる。それが続くように頑張っていきたいと思います」

●DF田中マルクス闘莉王(名古屋)
「競るときは必ず勝つつもりで競る。負けても後ろがカバーに入ってくれる。安心して競れるのが非常によかったと思う。9番(トマソン)が俺らは怖かった。阿部ちゃんが9番の動きを見て、きちっと抑えてくれた。(ボランチには)いろんなことに対応できる3人がいるし、最後まで失点しないで守るんだという意識があった」
―次の相手はパラグアイだが?
「南米は避けたかった。やりにくい。南米は残っているチームも多いし、強いと思う。一発勝負に懸ける南米のうまさがあると思う」
―自国開催以外では初のグループリーグ突破だが?
「とりあえずひとつの目標は達成できたけど、僕らに失うものは何もない。僕らはチャレンジャー。僕らはどこよりも下手くそなんだと。そういうやり方でやるしかない」

●DF長友佑都(F東京)
「試合に出ているので疲れてるとか、そういうことは言えない。立ち上がりはプレスが効いてないような感じだったけど、フォーメーションを戻して落ち着いた。やるべきことは変わらないし、スムーズに対応できた」

●DF駒野友一(磐田)
「一安心した。チームとして本当に自信が出てきている。11人だけでなく、ベンチにいる選手も盛り上げてくれる。前回のW杯では敗退したけど、今回は突破することができて、さらに上を見ている。安心はしているけど、さらに上を目指して、心と体を準備したい。相手の高さは警戒していたけど、自分のところにはあんまり来なかった。センターバックが競ったあとのセカンドボールに注意していた」

●GK川島永嗣(川崎F)
―PKの場面は?
「完全に読んでいた。ただ、コースがあまりにも甘くて、真ん中に来て、外に弾けなかった」
―パワープレーにも耐えた。
「全員が最後のところで体を張って守っていた。守備の選手だけでなく、前の選手も90分間ハードワークしていた。そういう結束が結果につながったと思う」
―チームが成長していると感じる?
「内容もだけど、結果にこだわる姿勢が今のチームにはある。ひとりひとりが何をしないといけないか理解している。11人だけじゃなく、試合に出ていない選手もそう。大会を通してチームが成長している」
―落ち着いてプレーしていた。
「向こうは攻めなきゃいけない状況だったし、いろんな状況を想定していた。それがいいパフォーマンスにつながった」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

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