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キーワードは「縦」、本田&香川の新コンビが見せた新たな可能性

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[9.7 キリンチャレンジ杯 日本2-1グアテマラ 長居]

 MF本田圭佑(CSKAモスクワ)とMF香川真司(ドルトムント)。24歳と21歳のアタッカーが抜群のコンビネーションを披露した。

 チーム最多タイのシュート6本を放った本田だが、同時に中盤の低い位置に下がってボールを受け、前線に何度も鋭いスルーパスを通した。1トップを務めた南アフリカW杯ではなかなか見ることができなかった「パサー」としての姿。FW森本貴幸の2点目も本田のスルーパスから生まれた。

 前半20分、本田の絶妙なスルーパスに香川が反応。フリーでPA内に進入し、ワントラップから右足で狙った。GKと1対1の絶好機。シュートはGKに弾かれたが、こぼれ球を森本が押し込んだ。

 「チャンスに決められなかった」と悔やんだ香川だが、「いい形だった。連動した動きができた」と、崩しの形には満足していた。この場面以外にも本田と香川のパス交換で局面を打開するなど、2人の連係は常に相手の脅威になり続けた。

 2人の意思は一致していた。キーワードは「縦」。パラグアイ戦の香川の決勝点もMF中村憲剛の縦のスルーパスから生まれた。シンプルながら相手にとっては一番危険な攻撃。横のパス回しが多かった今までの日本代表にはなかった新たな可能性が垣間見えた。

 「前の選手が早い段階で仕掛けられた。でも、後半に入ってバテてくると、いつも通り横にはつながるけど、縦が入らず、結局、挟まれて奪われる場面もあった」と本田は振り返る。

 香川も「シンプルに前を向けばチャンスになる。中央に縦パスが1本入って前を向けば、一番チャンスになる」と、狙いは同じだった。「はたいて出るというのを意識した。止まっている時間は少なくなっているし、攻撃の運動量、アクションは多くなっていると思う。効果的な動き、スペースへの動き出しができている」と胸を張る。ドリブラーのイメージが強かった香川だが、シンプルなプレーからスペースに飛び出し、ラストパスを受ける「フィニッシャー」に変貌しようとしている。

 本田は「今後もっと強い相手になったらどうなるか分からない」と前置きした上で、「特徴のある選手が入ったことで、前に人数をかけなくてもチャンスをつくり出せた」と強調した。本田から香川へ。2人が真の黄金コンビとなったとき、日本代表に新たな攻撃の形が見えてくるかもしれない。

<写真>日本代表MF香川
(取材・文 西山紘平)

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