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日本vsグアテマラ 試合後の原監督代行会見要旨

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[9.7 キリンチャレンジ杯 日本2-1グアテマラ 長居]

 日本代表は7日、大阪・長居スタジアムでグアテマラ代表と対戦。FW森本貴幸が前半12分、20分と連続ゴールを決めると、直後に1点を返されたが、2-1で競り勝った。
以下、試合後の原監督代行会見要旨

原博実監督代行
「グアテマラで大雨による土砂崩れがあった中で、グアテマラ代表が力を出してくれて、いい試合になった。厳しい日程の中でも一生懸命戦ってくれたことに感謝したい。立ち上がりはボールも動いていい形があったが、2点を取ったあとに3点目を取るチャンスが何度かありながら決め切れず、少しずつ甘くなってきたところで相手の長いボールから決められた。それによってリズムが悪くなったかなと思う。

 ケガ人が出たり、CBでは中澤と闘莉王という今までやってきた選手がいない中で、なかなか出場機会のなかった選手を試そうと思っていた。乾のような選手も試して、刺激になってくれればと思って試合に臨んだ。うまくいったところ、うまくいかなかったところがあったが、しっかり自分で判断してもらって今後に生かしてほしい。

 この1週間は代行ということだったが、ザッケローニ監督も合宿を一緒に過ごして、日本の選手の特徴や練習の仕方、スケジュールの立て方、スタッフとの関係などを見ることできたと思う。次のアルゼンチン戦、韓国戦に向け、いい準備ができて、橋渡しができたんじゃないかなと思っている」

―森本の評価は?
「パラグアイ戦を見て、実戦が不足していると思った。岡崎はある程度計算できるし、W杯のあとにコンディションを落としているという情報もあったので、森本を先発で使って、試合をなるべく多くやらせようと思った。攻撃だけでなく、守備でもまだまだ関係していない時間が長い。プレーする機会を増やして、起点をつくって、ゴール前で点を取ってこいと言って出した。1点目はきれいだったし、トラップで抜け出す場面もあった。2点取って良かったと思う。チームでまずはポジションを取ることが大事かなと思う」

―本田はシュートやパスで一発を狙っていたように見えたが?
「W杯であれだけやって、ロシアもJリーグと同じシーズン。コンディションはパラグアイ戦を見ても体が重いなと感じた。この暑さもあって、本人も自分自身納得いっていないと感じていた。ただ、彼の持っている体の強さやキープ力、パスを展開する力をチームの中で機能させて、自信を持ってロシアに帰ってくれればと思って使い続けた。疲れているのは分かっていたが、チームでも出場機会が少なくなっているので、辛抱して使い切った。

 他の選手では長友もまだ欧州に行ったばかりだし、内田もパラグアイ戦で足を踏まれて軽い内出血があったので、無理させない方がいいだろうと。香川もずっと出ているので、フルに使うかどうか考えたが、ケガをする前にやめさせようと。永田もなかなか試すことができていなかったが、後半使ってフィードや高さを見せた。長谷部や遠藤、今野、阿部がいない中で細貝を思い切って使ったが、Jリーグでも見せている体の元気さや強さをパラグアイ戦も今日も発揮してくれて、あそこでやれるということを証明してくれたと思う」

―槙野を後半から左SBで起用したが?
「広島では3バックの左だが、広島のサッカーは変則的で、攻撃ではかなり高い位置に出ている。ストッパーが本職だが、前半はストッパーで、長友は半分でやめさせようと思っていたので、彼を左SBにした。攻撃では前に出て周りを生かして、フィードだったり起点になったりすることを要求して、守備では後ろでカバーするように言った。紅白戦でも両方やる準備をしてくれと言っていたので、本職ではないと思うが、違和感なくやってくれたと思う」

―ここまで監督の人選などいろんなことがあったが?
「それは本来の仕事なので。いろいろあったが、もし1週間、2週間前に監督が決まっていたとしても、新しい監督が選手を選ぶことは不可能に近かった。W杯で中心だったメンバーとフレッシュな選手を選んだことで、ザッケローニ監督にもいろんな選手を見てもらえた。結果的にはいい流れで引き継ぎをすることができたのではないかと思っている」

―監督代行をしてみて、代表監督に魅力を感じたか?
「今回は帰ってきて、すぐに記者会見で、その段階でだれも間に合わないということで、自分がやった。1年半以上、技術委員長という立場で見てきて、日本のサッカーの流れは分かっていたので、それを生かして次の段階に行くということで、人選も今のコーチ陣にした。一番の仕事はうまく引き継ぐことだと思っていたし、選手もザッケローニ監督がそばにいることで、厳しいコンディションだったとは思うが、モチベーション高くやってくれた。いろいろあった割には、いい流れで引き継げたのではないかと思っている。選手に伸び伸びやらせること、怖がらずに自分のいいところ、日本の良さを出すことがまず大事だと。コンディションはいろいろあっても、それが代表選手としてやるべきことだと、それだけを話した」

―次からはザッケローニ監督が選手を選ぶことになるが、帰国するときにDVDなどを持っていくのか?
「いろんな選手のビデオを編集したもの、過去の選手のビデオも頼んでいる。過去の日本代表の試合や相手のチームのものも頼んでいる。今の予定ではあさって帰国して、その次の週には帰ってこれると思うので、その次の週末にはJリーグが生で見られると思う。選手にも言ったが、試合だけでなく練習も見に行きたいと言っているので、それはこちらからも頼むし、『できますよ』とも言っている。全部見るのは難しくても、生で見ることが多くなると思うし、他のコーチングスタッフも一緒に来る予定なので、みんなで分担して新しい人選をしてくれると思う」

(取材・文 西山紘平)

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