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栗原が無類の強さを発揮。ザックに猛アピール

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Text alert@韓国ソウル

 1対1で無類の強さを発揮した。センターバックの一角としてアルゼンチン戦に続いて先発出場した栗原勇蔵(横浜FM)が、韓国の1トップ、パク・ジュヨンを高さでも足元でも完全に封じ込めるなど、ほぼ完ぺきな守備を見せ、0-0のドローに貢献した。

 「ピッチが悪く、最初は相手も前から来ていた。DFとしてはあそこで混乱しないで抑えることができたから、その後も抑えられたのだと思う」。アルゼンチン戦に続く2試合連続無失点の立役者はそう言った後、「今日はすごく良かった。アルゼンチン戦より自分としては安定していたと思う」と胸を張った。

 一時は出場が危ぶまれた。韓国入りした10日夕方の練習を股関節痛のために回避し、ウォーキングだけで引き揚げた。「ドクターと話して、大事を取った。自分としては韓国戦に出るつもりだけど……(パフォーマンスの良かった)アルゼンチン戦のあとなので悔しい」と唇をかんだ。

 けれども、結果的には無理をしなかったことが功を奏した。11日の練習から完全合流し、この日も先発フル出場。「テーハミングッ!」の大合唱が響く異様なムードの中、「アウェーで試合をやること自体が初めてだったけど、アウェーのほうが変なプレッシャーがなくていい。やりやすかった」と話すあたりは堂々としたものだ。

 身体能力の高さは横浜FMで指揮を執っていたことのある岡田武史前監督からも高く評価されていたが、大事なところでポカをするなど、最後までチャンスをつかむことはできなかった。だが今回は守備を重視するイタリア人のアルベルト・ザッケローニ監督の抜擢を受け、2試合連続無失点。この結果は大きい。

 南アフリカW杯で鉄壁の守りを見せた中澤佑二(横浜FM)、田中マルクス闘莉王(名古屋)が不在の中、新戦力台頭の一番手として栗原が猛アピールに成功した。

<写真>空中戦で強さを見せる栗原
(取材・文 矢内由美子)

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