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日本vs韓国 試合後のザッケローニ監督会見要旨

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[10.12 国際親善試合 韓国0-0日本 ソウル]

 日本代表は韓国のソウルワールドカップスタジアムで韓国代表と対戦。アルベルト・ザッケローニ監督の初陣となった8日のアルゼンチン戦で1-0勝利の大金星を飾った日本は、敵地で得点こそ奪えなかったが、守備陣が韓国の攻撃を粘り強く跳ね返し、0-0で引き分けた。
以下、試合後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「アルゼンチン戦同様、フレンドリーマッチとは言えない雰囲気になった。2つのチームが全力を出し切った。2つのタイプの違うチームだった。韓国はフィジカルとガッツを前面に押し出し、日本はテクニックをベースにボールポゼッションを高めて仕掛けるサッカーだった。それができた場面と、できない場面があった。ピッチコンディションも悪く、特に日本のDFからFWまでの距離感が狭まったときはスペースがなくて上手くいかなかった。

 サイドチェンジを使って、サイドから攻撃できたことは満足している。特に日本の右サイドからチャンスが生まれていたと思う。サイドにできたスペースを上手く使えたときには、日本はどんなチーム相手にも怖い存在になると思う。素晴らしい才能を持った選手と、素晴らしい能力を持ったチームであり、まだまだ伸びしろがあると思っている。

 我々の目的はいくつかあるが、ひとつは選手をよく知ること。もうひとつは選手にもっと能力があるんだという自信を植え付けていくこと。韓国はフィジカルが強いということで、試合前に恐れたのはセットプレーと、10番(パク・ジュヨン)から始まるカウンターに気を付けろと選手には話していた。日本はテクニックが優れており、普通ならボールを回している時点で今日のようなミスを犯さないが、ピッチコンディションも日本に不利に働いたと思う」

―試合後、センターサークルに行って主審と握手しなかったように見えたが、判定に不満があったのか?
「答えはノー。それは気付いてもいなかった。不満があったわけではない。主審には挨拶したが、副審にはしなかったかもしれない」

―15分過ぎから日本のポゼッションが高まった要因は?
「韓国は試合開始すぐに特長であるフィジカルを前面に押し出すサッカーをしてきた。ピッチコンディションが悪いこともあって、最初は順応できなかったが、ワイドに開いて、右の内田と松井のところにスペースができて、そこにボールを放り込んで相手が間延びした」

―90分間起用した前田の評価は? アウェーということで戦い方を変えた部分は?
「前田に関しては、前の試合(アルゼンチン戦)はほとんどの時間を森本が出ていたので、今日の試合を見ていて、終盤になってもまだまだやれるなと思い、最後まで興味があったので見てみようと思った。最後の最後で危険だったのは相手のセットプレーだった。前田は体も大きいので、DF陣に力を貸してくれると思って、最後まで前田を残した。

 日本のレベルなら、ホームでもアウェーでも変わらないサッカーができると思う。選手にも『ホームと変わらずやってくれ』と話していた。韓国も気持ちを押し出したサッカーをしてきたし、常に主導権を握れるわけではなく、こういう試合になったが、ホームでもアウェーでも変わらないサッカーをするのが私の目的」

―アジア杯までの改善点は?
「今回の合宿で約10日間、選手と一緒にいたが、その間に2試合あり、リカバーもあって、まだまだ選手に伝えたいこと、やってほしいことは伝え切れていない。これからのスケジュールを見て、ゆっくり成長していこうと決めた。最終的な目標は14年のブラジルW杯。その途中にアジア杯やコパアメリカ、親善試合もある。それらの試合をへて成長していくことが我々の目的。

 このチームの課題を挙げると、試合の流れを読むこと。1試合の中でずっと横パスをつないでいてもダメだし、ずっと縦パスを放り込んでもダメ。試合の流れを見て、状況に応じた戦術を使い分けられるようにしたい。今日の試合で大事なのは、最後の数分まで攻撃の姿勢を崩さなかったこと」

<写真>記者会見に臨んだザッケローニ監督
(取材・文 西山紘平)

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