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細貝がアンカーとしてザックジャパン初出場

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Text alert@韓国ソウル

 後半27分、アルベルト・ザッケローニ監督が動いた。香川真司(ドルトムント)から細貝萌(浦和)に交代。駒野友一の負傷で内田篤人が交代出場したのを除けば、戦術的な交代はこの試合初のことだった。

 細貝が入ったのは4バックの前のアンカーの位置。日本は4-2-3-1からアンカーを置く4-3-2-1へシステムを変更し、守備バランスを整えた。非公開練習を含めて一度も練習でやったことのない形。ザッケローニ監督が突然開けた新しい引き出しだ。

 「ヤットさん(遠藤)と長谷部さんを前に押し出すという意図ではなく、そこの間に入ってアンカーの位置でやれと言われた。守備の枚数を考えて投入されたのだと思う」。代表合宿ではもちろん、所属の浦和でもほとんどやったことのない役割に「今ひとつ試合に入りきれなかった。厳しかった。いいプレーは一度もなく、存在感を出せなかった。これからは途中出場にも慣れていかないと」と反省の弁を口にした。

 本人の言葉通り、飛び込んではかわされるという場面もあり、ピンチを招いた。だが、アンカーという、新しい役割を与えられての出場は意味がある。

 「今回のチームはここで終わって、みんな自分のチームに帰る。アジア杯ではメンバーも変わるだろうけど、浦和に戻って頑張る。僕のポジションは争いが厳しいが、また呼ばれるようにしたい」

 今回の起用で、激戦区のボランチの中でも守備的ボランチとして一定の評価をされたことが分かった細貝。Jリーグの残り9試合で、さらなる成長を期していた。

<写真>途中出場でアンカーに入った細貝
(取材・文 矢内由美子)

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