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長谷部がチーム全体に苦言。「崩せるという変な自信がある」

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Text alert@ドーハ

シュート17本を放ちながら、格下のヨルダンを相手に残り数分まで勝ち点0の大苦戦。あわや金星配給といういただけない試合に、ザックジャパンのキャプテンとしてボランチでプレーしたMF長谷部誠(ボルフスブルク)が自戒を込めて言った。

「試合の入り方は悪くなかったし、うちがボールを支配してシュートを打つ場面もあった。あれだけジャブを打てばいつかは入ると思ってやっていた。けど、みんなボールが入ってから考えてしまっていた」

 引いた相手にボールを回すことはできた。前線の狭いスペースをパス交換しながら切り裂いて行くコンビネーションプレーも見られた。だが、シュートの精度、クロスの精度が低かった。
 
「崩せるという変な自信がある。そういうのをみんなが持っている」という苦言が自然と口を突いた。

泥臭さでベスト16入りを果たした岡田ジャパンとは異なる、華麗にパスを回すスタイルだった。「球際の激しさが足りなかったのでは?」という質問が出ると「そういう風に言われるのはしょうがない」と頷いた。

試合前、ザッケローニ監督から直接、「サイドバックが上がったら引いてプレーしてくれ」と言われていた。だが、いざ試合が始まると「自分の中で前へ前へというプレーをしてしまった。あそこに入っていかないとチャンスが作れないかなと思っての判断でもあった」。指揮官の意図をピッチで表現できなかったのは、W杯とはまた違うアジアの難しさがあるということだろう。

救いは、最後に追いついての引き分けだったことだ。「若いチームだけに精神面で負けずに追いつけたのは大きい。最後の1点は大きかった」と言った。

グループリーグ初戦を1-1の引き分けに終えたのは、カタールに1-1で引き分けた07年アジア杯と同じ。前回は第2戦のUAE戦を3-1、第3戦のベトナム戦を4-1で勝ち、通算2勝1分0敗で決勝トーナメントに進出している。

ザックジャパンの第2戦は13日のシリア戦。「次に向けては、今やっていることを続けていくしかないんじゃないですかね。あとはフィニッシュの部分ですよ」と長谷部。中3日でチームのねじを巻きなおすために、背番号17のリーダーシップに期待が寄せられる。

(取材・文 矢内由美子)

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