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2度目のVに遠藤が感じた勝負強さ、「今までの代表にはなかった」

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[1.29 アジア杯決勝 日本1-0(延長)オーストラリア カリファ]

 自身2度目のアジア制覇が1日遅れのバースデープレゼントだ。前日28日に31歳の誕生日を迎えたチーム最年長のMF遠藤保仁(G大阪)。04年の中国大会に続くアジア杯優勝に「前回も前回でうれしかったし、今回もうれしい。比べようとは思わない」と淡々と喜んだ。

 「中国大会も厳しい大会で、アウェーの中で優勝した。今回も10人の試合が2回あったし、開催国とも戦って、韓国、オーストラリアにも勝って優勝した」。アジアで勝つことの難しさをだれよりも分かっていた。苦しい試合の連続。それでも常に冷静さを失わず、寡黙にチームを引っ張った。

 延長後半4分にFW李忠成のゴールで先制すると、残り11分間、必死の逃げ切りを図るチームの中で遠藤は何度も手を叩き、声を出してチームメイトを鼓舞した。「韓国戦も最後に追い付かれた。それはみんなも分かっていたし、集中が途切れないように、ボールが止まったときに声をかけた」。延長後半17分のラストプレー。FKのピンチも全員が体を張ってゴールを死守した。

 「劣勢に立たされながら勝ち切るというのは、今までの代表チームにはなかなかなかった。準決勝、決勝と厳しい試合を勝ち切れたのは成長した証拠だと思う」。02年から10年近く日の丸を背負い、数々の監督の下でプレーしてきた遠藤だけに、その言葉の持つ意味は大きい。

 「若い選手はメンタル面でも代表の難しさや重みを感じられたと思う。これを次につなげないといけないし、まだこれから」。これまでになかった勝負強さや可能性を感じたからこそ、遠藤はこのチームのさらなる進化を予感している。

[写真]日本代表MF遠藤

(取材・文 西山紘平)

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