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恩返しのゴール、岡崎「今度は自分が人の力になれればと」

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[3.29 東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ 日本代表2-1JリーグTEAM AS ONE 長居]

 今度は自分が恩返しする番だった。日本代表FW岡崎慎司(シュツットガルト)は1-0の前半19分、FW本田圭佑のスルーパスに反応。前に出てきたGKの頭上を越す技ありキックで決勝点を奪った。

 兵庫県出身の岡崎は95年1月、小学2年生のときに阪神大震災を経験した。「自分は避難するとかはなくて、家にいられたけど、あとになって聞いたら水や食糧はだれかが持ってきてくれていたということだった。周りの人のおかげで自分は生きているんだと思っているし、今度は自分が人の力になれればと思っていた」。試合を終え、実感を込めて言った。

 サッカー選手として、FWとして、ゴールを決めることだけを考えていた。23日に帰国後、胃腸炎を発症し、全体練習に合流できたのは前日28日。決してコンディションが良くない中、3トップの左サイドで先発し、全力でピッチを駆け抜けた。

「一人ひとりの力は小さくても、これだけ集まれば大きくなるんだということを感じることができた。子供たちのためにも、未来のためにも、自分は遠いところ(ドイツ)からになるけど、何かを伝えていきたいし、支援もしっかりやっていきたい」

 復興支援はこれで終わりじゃない。被災地の人々のために、日本のために。ドイツに戻ってからも、自分にできることをやり続けるつもりだ。

[写真]追加点を決めた岡崎

(取材・文 西山紘平)

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