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日本代表vsJリーグ選抜 試合後のザッケローニ監督会見要旨

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[3.29 東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ 日本代表2-1JリーグTEAM AS ONE 長居]

 日本代表とJリーグ選抜「Jリーグ TEAM AS ONE」が対戦する「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!」が29日、大阪・長居スタジアムで開催された。日本代表は前半19分にMF遠藤保仁の直接FKで先制すると、同29分にもFW岡崎慎司が追加点。Jリーグ選抜も後半37分に途中出場のFW三浦知良がゴールを決め、夢の対決は2-1で日本代表が勝利をおさめた。
以下、試合後のザッケローニ監督会見要旨

アルベルト・ザッケローニ監督
「今回のイベントの目的を再確認すると、ゲーム内容よりも、みんなが集まり、一丸となって何かをすることが大切な1日だった。今日来てくれたサポーターの方、日本国民の方から温かいサポートを受けてうれしく思います。今日見せていただいた気持ちや思いやりが、被災者の方々にとっても、今後復興していくうえでも大切になっていくと思う。

 試合前に選手にも言ったが、我々は誇りに思わないといけないと。こんなに素晴らしい国を代表していることを誇りに思わないといけない。試合に関しては、たくさんの素晴らしい選手が活躍した。これもJリーグがこれまでたくさんのいい選手を輩出し、今もたくさんのいい選手を輩出しているからだと思う。

 私はゴールを決められるのは本当に嫌いだが、私のキャリアの中でゴールを決められてうれしかったのは今日が初めてだと思う。三浦選手はこれまでも素晴らしいキャリアがある。今日のゴールは本当に称賛に値すると思う。

 日本代表に関しては、特に前半はゲームをつくれたという印象を持っている。チームワークというか、選手の理解度という点では、前半のメンバーの方が長くやっているのでよかったが、後半はそれに比べると、少し足りなかった。

 Jリーグ選抜の選手も素晴らしく、パーソナリティーがあって、実力のある選手たちだった。代表チームにこれまで貢献してきた選手たちで、難しい試合だった。Jリーグ選抜にもいい選手がいるので、今後も気を付けて見ていきたいと思う。Jリーグ選抜の選手もいい選手だなという印象を受けたが、これはある意味、想定内だった」

―前半30分にGKを代えて、後半からガラリとメンバーを代えたが?
「この試合で一番大切なのは結果でなく、集まった選手が一丸となってサッカーをすることだったので、できる限り起用した。森脇は最後の10分しか出られずに残念だったが、最後にだれかがケガをしたりとか、リスクマネジメントを考えた。最初の理想の考えはみんなが30分ずつぐらい出ることだった」

―新しいシステムをテストしたが、その手応えは?
「選手には、代表が集まる機会は限られているので、せっかくの機会だから理解力を高めようという話をしていた。情報をインプットするのに3日間の日数しかなかったが、3日の割には、期待していたよりもいい出来だったと思っている。3日でこういうゲームをするのは簡単なことではない。選手同士の距離感などに課題は残ったが、うちがボールを支配してサイドに出たときにはいい点が出たと思う。右は内田、本田圭佑、左は長友と岡崎でいいところが出たと思う」

―日本の選手が3-4-3を早くマスターしたことに驚きは?
「期待以上の出来だったと思っている。当然、距離感に課題は残ったし、特にDFラインのところで押し上げ切れずに間延びしてしまったところもあったが、攻撃では裏に抜ける動き、進入する動きがよかったと思う。このシステムで大切なのは、私はSBと言っているが、吉田と伊野波のポジションでイニシアチブを取ってゲームを進めること」

―明日帰国して再来日までにどの試合をチェックするか?
「今日選手を見ることはできたが、今日のゲームの趣旨もあるので、欧州で選手を見ようと思っている。週末はミラノダービー見に行こうと思っている。そのあとCLでもインテルを見る。そこで長友、内田を見られるし、我々のテクニカルスタッフはオランダとドイツに行く。再来日までにすべての選手を見たいと思っているので、イギリス、スペイン、フランス、ベルギーにも行こうと思っている。来週にはロシアに行く予定もある。残念ながらJリーグは中断しているので、その間にできるだけ海外組を視察して、Jリーグが再開したらJリーグの選手もしっかり見ていきたい」

―今後、イタリアなどでも震災の支援活動をする考えは?
「どのタイミングで何をするということを日本サッカー協会と話している。世界中どこでも我々に応えてくれると思う。しかし、日本でもイタリアでもカレンダーがかなりタイトになっているので、できるだけいいタイミングを見つけたいと思っている。日本協会、イタリア協会とも話をしている。02年のW杯でイタリアが仙台にいたこともあるし、そういう話はしている。少しでも可能性があれば、イタリアとやるということも考えていいのではないかと思う」

―3-4-3が今後メインのシステムとなる可能性は?
「3-4-3のシステムは非常に難しいもので、時に5バックになってしまうが、私は5バックになるのは好きでない。3で守れるところに魅力を感じているから、試合の状況に応じて使っていけるようになればいいなと思う。ただ、日本人の選手にこのシステムは合っているなとは思う」

[写真]日本代表ザッケローニ監督

(取材・文 西山紘平)

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