beacon

[女子W杯]20歳のDF熊谷の右足キックが世界一を決める

このエントリーをはてなブックマークに追加

[7.17 女子W杯決勝 日本2-2(PK3-1)アメリカ フランクフルト]

 DF熊谷紗希(浦和レッズ)の右足がなでしこジャパンの世界一を決めた。2-2で迎えたPK戦。PK2-1となり、決めれば優勝という4人目のキッカーを務めた熊谷は冷静に右足でゴール左へ流し込んだ。

「失点してしまったというのもあったし、前線の選手を信じて、ずっと守っていた。ここまで来てくれた結果を自分の足で決めたいと思っていたので、思い切って蹴るだけでした」

 右足に気持ちを込め、蹴り込んだ渾身のシュート。熊谷のキックがゴールネットを揺らした瞬間、なでしこジャパンの世界一が決定した。

 PKが決まった瞬間は頭が真っ白だった。「実際に蹴ってから、勝ったかどうかみんなの様子を見ないと、自分が分かっていなかったので」。しかし、一歩乗り遅れながらも歓喜の輪に加わると、弾けるような笑顔を見せた。

 弱冠20歳ながら闘志溢れるプレーでなでしこジャパンの守備を支えてきた。W杯直前の6月18日に行われた韓国との親善試合(1-1)では、相手選手と交錯して頭を負傷。頭部を5針も縫うケガを負った。しかし、10日後に行われたW杯開幕戦のニュージーランド戦(2-1)では頭に包帯を巻いて強行先発。激しい空中戦にも臆することなくプレーし、勝利に大きく貢献した。

 この日の決勝戦でもアメリカの世界的ストライカーFWワンバックと幾度も激しい競り合いを繰り広げた。失点シーンこそ悔やまれるが、約10cmも身長が高い相手に必死に食い下がった。120分間で27本ものシュートを打たれたが、枠内シュートは5本だけ。シュートコースを消すなど、体格さでまさる相手に頭を使って対応した。

 今大会終了後には女子ブンデスリーガのフランクフルトへの移籍が決まっている。新天地に向けては「自分らしさを出し、何事にもチャレンジしていきたい」と強く意気込む。奇しくも準決勝、決勝の舞台となったフランフルトへの移籍。一足先に現地のサポーターに十二分な“お披露目”を果たした形となった。

 まだまだ伸びしろのある20歳のCBは、今後もなでしこジャパンの最終ラインを率いていく逸材だ。試合後には早速「ここからみんなで次のステップへ向けて、全員で力を合わせてやっていきたいなと思います」と力を込めた。欧州挑戦を経てさらなる成長の期待される熊谷が、これからもなでしこの堅守を支えていく。


▼関連リンク
女子W杯2011特設ページ

TOP