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日本のエースだ!!W杯出場弾の岡崎「サッカーをしてきて良かった」

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[6.6 W杯アジア最終予選 ウズベキスタン0-1日本 タシケント]

 侍ストライカーが日本をW杯に導いた。前半9分、MF中村憲剛にボールが入った瞬間、FW岡崎慎司(清水)がDFラインの背後に走り込む。ピンポイントの浮き球のスルーパスが足元へ。正確なトラップからボールを運ぶと、迫り来るDFのプレッシャーを跳ね返し、左足を振り抜いた。シュートはGKに当たったが、体勢を崩しながらも頭で跳ね返りを押し込んだ。

 「ツイていた」。岡崎はそう言って照れ笑いを浮かべたが、跳ね返りが自分のところに戻ってくる運もストライカーの証し。「頭の近くに来たので、勢いで行ったゴール」と気持ちでねじ込んだ。岡崎らしさが凝縮された泥臭いゴール。この1点が、日本に歓喜をもたらした。

 キリン杯2試合で3ゴールを叩き込み、岡田ジャパンの新エースに名乗りを上げた。これまで最終予選全5試合に先発してきたFW玉田圭司は右足首痛から復帰していたが、岡田武史監督が選んだのは岡崎だった。その期待に応える3戦連発ゴール。岡田ジャパン通算7ゴール目がW杯出場弾になった。

 キリン杯でゴールを量産しても「喜べなかった」と言う。「まだ次があるから」と、本番のW杯予選で決めない限り、価値はないと考えていた。だからこそ「大事なところで決めたい」との言葉を繰り返してきた。過去の6得点はすべてホームゲームで、そのうち5点は親善試合、1点はアジア杯予選で決めたもの。W杯予選の、しかもアウェーでのゴールに誰よりもこだわっていた。

 「サッカーをしてきて良かったと思った瞬間だった。このゴールは、運も含めて特別なゴール。このゴールでやっとチームの一員になれた」

 一員どころではない。決定力不足にあえぐ日本に誕生した待望のストライカー。どんな体勢からでもがむしゃらにゴールを狙う岡崎が、名実ともに日本のエースになった。

<写真>前半9分、日本をW杯出場に導く決勝点を挙げるFW岡崎
(取材・文 西山紘平)

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