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[SBSカップ]U-19日本代表、オーストラリアにPK戦勝利

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[08.23 SBSカップ国際ユースサッカー第1日 U-19日本代表 0-0(PK5-4) U-19オーストラリア代表 沼津市愛鷹多目的競技場]

 U-19日本代表、U-19アルゼンチン代表、U-19オーストラリア代表、静岡ユース(静岡県高校選抜)が参加して行われるSBSカップ国際ユースサッカー大会が23日、開幕。U-19日本代表は、U-19オーストラリア代表と戦い、0-0からのPK戦の末、5-4で勝った。

 来年行われるU-20W杯出場権を懸けたAFC U-19選手権(サウジアラビア)を今秋に控えるU-19日本代表は、この日4-4-2の布陣。GKが権田修一(F東京)で4バックは右から青木拓矢(大宮)、薗田淳(川崎F)、金井貢史(横浜FM)、U-17日本代表から飛び級組の酒井高徳(新潟ユース)。中盤は下田光平(F東京)、山本康裕(磐田)を中央に右がU-17日本代表でもあるMF菊池大介(湘南)、左が鈴木惇(福岡)。2トップには川又堅碁(新潟)と鹿島入団が内定しているFW大迫勇也(鹿児島城西高)が起用された。U-23日本代表でもあるFW山崎亮平(磐田)やDF鈴木大輔(新潟)ら多数のけが人と日本代表MF香川真司(C大阪)やMF金崎夢生(大分)ら所属クラブで主力の選手らが不在で迎えた大会の初戦は、PK戦で勝ったものの80分間では無得点。牧内辰也監督も「物足りない」と残念がった内容だった。
 左サイドから果敢なオーバーラップを仕掛ける酒井や鈴木、山本の両MFが絡み前半10分過ぎから得点機を作り出していたU-19日本代表。12分には酒井を起点として川又、大迫が素早くつなぎ、PAでリターンを受けた酒井が強烈な右足シュートを放つ。22分には左サイドでリズム良くボールを動かし、逆サイドへ展開。菊池のラストパスを鈴木が右足で狙った。
 そして28分には左サイドからドリブルで仕掛けた大迫が相手DFをかわしてPA内へ侵入しラストパス。中央へ走り込んだ川又が相手DFより前に入り込んで合わせた。シュートはゴール左へと外れていったが、スピーディーな攻撃から相手を崩して決定機を作り出していた。さらに34分には相手FWが2枚目の警告を受け退場。数的優位を得た日本は、攻撃の手を強めていく。37分にはドリブルで中央突破した山本のシュートがゴールを捉え、こぼれ球に大迫が飛び込む場面もあった。
 だが、この日の日本はパスミスが多く、スピードと連動性のある攻撃で相手を打開できたのは前半のわずかな時間だけ。アタッキングエリアまではボールを運ぶが、そこからのスピードアップができず。ボールこそ支配していたが、そこから相手に脅威を与えるような攻撃はできなかった。横パス、バックパスをさらわれる場面も目立ち、前半の終盤から得ていた数的優位を活かせない。牧内監督は「自爆というか、時間をかけてボールを動かしては失う連続だった」。後半8分には鈴木の縦パスに抜け出した大迫が相手GKと1対1となるがシュートをミス。同32分にはカウンターから途中出場のFW白谷建人(C大阪)がスルーパスを送り、左サイドから走り込んだ金井が右足で狙ったが、シュートがポストを叩く。得点機をものにできなかったことも響き、無得点で80分間を終えてしまった。
 ディフェンス面ではオーストラリアの左サイドアタッカー・MFタジ・ミニーコンら個のフィジカルの強さとスピードを活かした速攻に悩まされ、失点の危機があった。前半終了間際、後半終了間際の相手の決定機を権田のスーパーセーブで防いだものの、試合は0-0のままPK戦へ。ただ、ここで勝負強さを見せたのは日本だった。権田がオーストラリアの5人目のシュートをセーブしたのに対し、日本は山本、鈴木、白谷、下田、大迫が全て成功し5-4で勝利。主将の権田は「0-0のままで終わるのは(悔しくて)納得できるものではない。(PK戦だったが)勝つことが出来たことは良かった」と“勝てた”ことだけを収穫として挙げていた。

(取材・文 吉田太郎)

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