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黄金世代の矜持。遠藤は「しびれる試合がいっぱいだった」

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Text alert@南ア・プレトリア

 充実の4試合だった。気がつけば、岡田ジャパンは遠藤保仁のチームになっていた。

 パラグアイとの死闘を終えた背番号7は「しびれる試合をいっぱいしたので、またしたいなと思う。満足はしていないですけど、本当に充実した大会でした。こういう大きな大会で、また上にいけたらいい。そういう気持ちを持ち続けると思う」と、すがすがしい表情を浮かべた。

 阿部、長谷部と組む、3枚の守備的MFの一員として4試合連続で先発した。前半はボランチのオルティゴサをフリーにさせてしまう場面が何度かあったが、20分過ぎにシステムを修正。遠藤がトップ下に入り、オルティゴサを見るようになってからピンチは減った。

 中盤3人が試合中にシステム変更するのはデンマーク戦に続いてのこと。日本は柔軟な対応力を持つチームへと成長を遂げていた。

 PK戦では一番手として蹴った。コロコロではなく、強烈なキック。右上に決まると、右手をグッと握りしめて、ガッツポーズを作り、ムードを盛り上げた。

 小野伸二、小笠原満男らが代表から遠ざかった今、稲本潤一とともに、黄金世代最後の砦でもある。岡田ジャパンの中核としてアウェーでのワールドカップでチームをベスト16に導いたのは、黄金世代の矜持とも言えるだろう。

 今後については「少し休んでから」と言いながら、「現役でいるうちは代表は目標。代表の試合で得るものはすごく大きい。4年後のことはすぐには考えていないですけど、チャンスがあれば」と意欲を燃やしていた。
(取材・文・矢内由美子)

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