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日本vsベルギー戦後 岡田武史監督会見要旨

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「前半20分まではよかった。(相手が弱いとわかると)選手はその後だんだんにペースダウンをしていった。8割くらいの力で戦いだした(それでも勝てるほどにベルギーは弱かった)ボールを奪われてもつめない。ロングボールにせりにいかない。ハーフタイムになんのためにやっているんだと言った。後半はアグレシッブにやってくれて非常によいカタチで得点もできた。失点もなかった。しかしこの2試合はまったくウズベキスタン戦の勝利を保証するものでもなんでもない。明日の夜集合してウズベキスタンに向かう。勝って帰ってきたいと思う」

 強化にならない試合はやめたほうがいい。監督にとってもこれでは、本番直前の準備としてはあまりに手ぬるいと感じただろう。岡田武史さんの言葉にはそんな不満が少し見え隠れした。はっきり言ってJFAのスタッフワークに問題がある。

「憲剛は2トップを組むべきFWが組めないことからの起用ということになる。(田中達也の戦線離脱)大久保は2トップだと左サイドが手薄になるという考え方の起用。(ウズベキスタン戦も二人フォワードを前に並べることはなさそう)ウズベキスタン戦はまだどうするか決めていない。憲剛はいまのバランスではあそこ(トップ下)がいいと私は思っている。しかし、ウズベキスタン戦は、松井も合流するのでそれぞれのコンディションやバランスを見て決めるつもり。このメンツでやるなら憲剛はあの位置がはまりということは確かだと思う。憲剛にはFWが下がったり、サイドに流れたらそこに入り込むように指示はした。達也はFWとしてウラをとったり早い動きだしでディフェンスを振り切るそうしたFWとしての要求してきた。それとは違う。達也と憲剛の特色を考えて同じような位置でもそれぞれの良さを生かす戦い方をしてきた」

 憲剛が入ることでボールの出どころが俊輔・遠藤・憲剛と3つになり相手は読みづらくなる。しかも遠藤や俊輔に比べると憲剛はスピードがあるのでゲーム全体に躍動感が出ていわゆる日本代表特有のまったりした感じがなくテンポ感がありゲームも面白く見ることができる。あきらかに日本選手の中でこの3人が突出してラスト前の決定的なパスを出す力が各段にある。やはり1年ぶりではあるがこの3人の起用が代表にとってはいいだろう。達也には申し訳ないが彼の怪我が控えだった憲剛を前に使うことを岡田さんに決断させたようだ。

「本日の試合のように20分もしてナメた試合をするのはダメ。(遠藤や俊輔は本番を考えて若干ペースダウンを省エネを考えていたようだった)」

「前回のチリ戦をベースに少しでもスピードを上げることが大事であると言った。(走るサッカーをするのはいやだ。無理したくないという気持ちが選手のどこかにある。それじゃダメだと岡田さん)(グラウンダ―の長いパスが多かったのは)この指示のせい。それと濡れたピッチでよりボールがはやく動いたのも事実。選手たちの疲労度は様々にデータを集めてそれぞれにとって無理のないところでの交代を考えていた。大久保はチリ戦にも出てないしリーグでもそれほど疲労していないので最初から90分出す予定だった。大久保についてはゴール前の切り返しに期待がある。一番いいポジションで使いたいので左サイドやトップにしたりして今日はテストをしてみた」

 岡田さんが大久保に期待をしているのは、伝わるものがあった。あのカッとなりやすい性格が自分に似ているという親近感があるのではないだろうか? 大久保の話をするとき情のこもった話が多いと感じる。選手がしっかりと今日よりは明日と一歩一歩階段をあがるがごとく努力してほしいという気持ちを果たして選手が裏切らずにやってくれるだろうか? 

「ワールドカップでのべスト4を目指すということの達成には何が必要か? それはどこまで本気でそのことを考えることができるかにかかる。本気だったら今日は酒飲んで夜更かしなんかはしないはずだ」

 どこかで選手はほんとうについてきてくれるのかという不安もあるだろう。岡田武史監督は09年になってから代表のキーポイントになる選手一人一人と1対1で自らの本気さを伝えることをしているようだ。そのことが序序にチームを本気にさせていく。もちろん段々にだしバラバラになるときもあるだろう。そんな紆余曲折のあとに最後にチームは一つになると先を見越した戦いをしていると思う。             

<写真>日本代表岡田武史監督
戸塚隆

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